アウトドア経験もプラスに! 防災力を高める

アウトドア体験も役立つ 防災力の身につけ方

自然と触れ合うアウトドアの経験は、災害時など、いざというときの防災力も身につけることにもつながります。
そこで、以前、防災力を扱った特集テーマ「子どもを守る4つの備え」の一部をここでもう一度紹介いたします。
アウトドアを楽しみながら、子どもの防災についても考えていきましょう。

1.起きるかもしれない災害を知る

災害がどんな性格なのかを知って、もし起こったときのことを想像し、困らない方法を見つけておきましょう。

津幡町‐金沢市‐白山市にまたがる森本・富樫断層帯でM7クラスの地震が発生すると金沢市中心部では、阪神大震災のときの神戸市内のような被害が出ると言われています。
日本の主な活断層のなかで今後30年間に地震が発生する可能性が「高い」グループに入っています。

地震が前兆現象。
2007年の能登半島地震でも、地震発生からおよそ1時間後に珠洲市と金沢市で20cmの津波を観測しました。
地震が起きると津波は100メートル走の金メダリストより速い速度で襲ってきます。

大雨が降る、地鳴りがするなどの前兆現象があります。
金沢市では、2008年に記録的な豪雨が発生し、浅野川上流域で約2000棟の家屋が浸水する被害が出ました。
小松市でも2013年に梯川が氾濫危険水位を超え、住民1万人以上に避難指示が出されました。
ハザードマップをCHECK!
自治体などでは、災害の種類や程度、被災が予想される範囲などを示した地図情報「ハザードマップ」を作り、ホームページなどで公開しています。また、避難場所に関する情報を示した「防災マップ・避難所マップ」などもあります。
自分たち家族のことを知ろう
曜日や時間帯などによって、家族が被災する場所は変わってきます。また、季節によって災害への対応や備えが違ってきます。ハザードマップなどの情報を参考に、季節・時間帯・など条件を設定して、家族が被災したときの様子を想像してみましょう。
地域のことを知ろう
自分の家の構造、地盤、地形、周辺の建物から、ご近所にはどんな人たちが住んでいるのか?子どもと一緒に街を歩いてみて、観察してみましょう。さらに避難場所まで歩いてみて、危険な場所はないか確認しておきましょう。

子どもたちは自分で身を守るのが難しく、親の助けが必要です。そんなときに親がケガをしたり、命を落としては子どもが困ります! 子どもに心配をかけず、自分もオロオロせずに済むよう、適切な情報を基に災害イメージを持ち、対策をしておきましょう。

教えてくれたのは
林 紀代美先生&青木 賢人(たつと) 先生ご夫妻
いずれも金沢大学人間社会研究域人間科学系の准教授。ご夫妻それぞれの専門や立場を生かして、防災についての講演などを行う。また、ともに石川県学校防災アドバイザー、金沢市防災教育アドバイザーも務める。

2.日常+αで防災力が高まる

日常のお買い物を余裕をもってしておき、循環させるのがポイント。日常生活での安心感が万一のときの余裕につながります。

3.地域や園と積極的につながろう

園、保護者、地域が連携し、いざとういときに助け合える防災コミュニティを作りましょう。

園に確認しよう


平日の日中は保育園・幼稚園にいるお子さんも多いですよね。万が一災害が起きた場合、ママもすぐに迎えに行けるとは限りません。災害時、どこでどのように子どもたちを避難させてくれるのか、引渡しの方法など園の防災計画を確認しておくといいでしょう。

地域とつながろう

日頃のご近所付き合いが明暗を分ける
田中先生は東日本大震災から4日目に現地に入りました。訪れたA避難所では、笑い声が聞こえてきたそう。一方のB 避難所からは責め合う声が聞こえてきました。A避難所とB避難所の違いはなんだったのか?それは日頃のご近所付き合いだったそうです。

受援力を高めよう
日頃から園や地域との関係を作っておくことが大切です。昔から「向こう3軒両隣」と言いますが、災害に遭って困らないためにも日頃から「助けてください」と言える力「受援力」を養い、「助けてください」と言える関係を作っておくことが大切です。

教えてくれたのは
田中 純一先生
北陸学院大学准教授。専門は災害が発生したあとの仮設住宅や避難所での生活から地域コミュニティの再生までを研究する災害社会学。東日本大震災や熊本大地震の被災地での支援も行う。

4.みんなの備え(読者アンケートより)

5.震災時にも役立つ「車中泊」を先輩パパYさんに聞きました

我が家では、車中泊でアウトドアを楽しんでいます。そして、この車中泊は、実は震災の備えとしても有効です。
ニトリのマットレス

①ニトリのマットレスを敷いて、フラットな空間を創出

②シートの段差は子ども用ふとんを使って埋め、マットレスを置いています

③カートリッジがどこでも買えるカセットコンロも重宝します



車中泊は寝床が命!ですが、この足を伸ばしてゆっくり眠れる空間を確保することは、被災した際にもプライベート空間の確保とエコノミー症候群の予防につながると思います。また、キャンピングカーに付いているようなディープサイクルバッテリー*と大容量インバーター**は、いざという時にも電源を確保できます。常に充電満タンにしておけば、それだけで震災への備えとなります。

④ディープサイクルバッテリーは大容量がオススメ。ただしとても重い…

⑤キャンプで楽しみながら使用方法をおさらい



その他、寝袋やウォータータンク、ガスバーナー、ランタン、コッフェル(食器)などのキャンプ用品も、同様に防災グッズとして活用できますので、1カ所にまとめておけば何かと安心です。1年に1、2回キャンプに持ち出して、使用方法や備品の具合を楽しみながらチェックすると一石二鳥ですよ。
*少量の電流を長時間供給する能力に優れ、繰り返し放充電が可能なバッテリー
**車のDC12Vを家庭用AC100Vに変換。1000w以上のものならたいがいの家電が使えます(参考:ドライヤーは1000〜1200wくらい)

教えてくれたのは
Yさん
11歳と9歳の女の子のパパ。学生時代よりアウトドアをこよなく愛する。キャンプをしたいけど、妻が苦手なのでその代用として車中泊をスタート。休日は愛車とともに家族全員で色々なところへ旅に出かけている。