【皮膚科】マスクによる肌荒れ

Qマスク生活で肌荒れが気になります。対処法は?

Aまず保湿。通気をよくしてマスク蒸れも防いで。

今年はマスクトラブルで受診される患者さんが本当に多いです。主な2つの症状は、①かゆみ・湿疹②ニキビ・吹き出物。①はマスクのこすれで生じる皮膚のダメージが原因、②はマスク内が蒸れて肌に雑菌が繁殖しやすくなることで起こりがちです。

通常、皮膚の表面には刺激から守るバリアー機能がありますが、マスク着用による摩擦でその働きが大きく低下しています。マスクで隠れるからと、すっぴん肌にマスクを付けるのは厳禁。特にケバ立ちやすい不織布タイプのマスクは肌への刺激が強く、保湿やメイクは必須です。不織布マスクも1度切りの使い捨てにしましょう。

肌トラブルを防ぐためには、保湿が最も効果的。化粧水や乳液、保湿クリームで肌の潤いを十分に保ってください。人のいないところでマスクをはずすなど「蒸れない」工夫も大切です。蒸れによって汗や皮脂の分泌量が増えると皮膚がアルカリ性に傾き、悪玉菌が発生しやすくなります。綿など通気性のよい素材を使った布マスクの活用もおすすめです。ほとんどのマスクは紫外線を通すので、日焼け止め対策も忘れずに。紫外線を受けると肌は炎症を起こしやすくなるため、マスク着用時にも日焼け止めやUV効果があるファンデーションを塗りましょう。

Q秋冬はどんな肌のお手入れをすればいいですか?

A水分が少なく乾燥しがち。よりこまめな保湿ケアを。

秋冬は肌の水分分泌量が減ると同時に、水分が外気に蒸発するので、肌が乾燥し荒れやすくなります。春夏より一層こまめな保湿を心がけてください。洗顔は朝夕2回で十分です。手早く洗って保湿しましょう。敏感肌の人は、季節の変わり目に肌がゆらぐ傾向があります。この時期に乾燥するからと化粧品を変えたりすることは控え、肌になじんでいるものでケアしてください。マスク着用が日常化した新しい生活様式のもと、肌にもぬかりない保湿対策を行っていただければと思います。

マスクによる刺激を最小限に抑えることが大切。
保湿・日焼け対策を万全に、人がいなければマスクをはずして。

皮膚科

タケダスキンケアクリニック

竹田 公英先生

藤田保健衛生大学卒業。恵寿総合病院皮膚科科長、金沢有松病院皮膚科医長などを経て、2011年に同クリニックを開設。