【歯科】乳歯の色素沈着について
Q乳歯の色素沈着は放置してもよい?
A着色自体は問題ないことが多いが、原因把握は必要。
歯の表面の色素沈着にはさまざまな原因が考えられます。食べ物や飲み物由来の着色や、口呼吸による口腔乾燥により歯の表面が乾燥して着色する場合、また家族に喫煙者がいる場合は受動喫煙によって歯肉が色素沈着を起こす場合もあります。そのほかに、頻度は少ないですが、転んで顔や口をぶつけたときの外傷により、乳歯の神経が壊死して歯の変色が起こっている場合や、歯の表面のエナメル質に生まれつきの形成不全と呼ばれる異常があることもあります。
色素沈着自体に病原性はなく、放置してもそれ自体は問題ないと思われますが、なぜ着色しているのかを考えるのが重要です。乳歯に色素沈着が見られるときには、一見問題ないように見えて実は隠れた問題があることが多いのです。自己判断は難しいので、「放置してもいいかな」と思いたくなりますが、歯科医院で診察を受けることが肝心です。
Q色素沈着の原因に問題があった場合の対策は?
A専門的なクリーニングをして、原因に合わせた対策を。
しっかりと原因を把握した後、専門的なクリーニングで着色を落として、お子さんの歯をキレイにしてあげましょう。そして何か問題がある場合は治療や指導を受けて改善することが望ましいと思います。
歯磨きが上手くできていないために着色がある場合は歯磨き指導を受ける必要がありますし、口呼吸(お口ポカン)による口腔乾燥の場合は、むし歯や歯並びへの悪影響だけでなく、全身への悪影響も考えられます。最近の子どもはかなりの確率でお口ポカンの状態が多いですから、色素沈着がある場合はまずこちらを疑うことが多いです。口呼吸にはほぼデメリットしかありませんので、早いうちから対策をしていくことが大事です。
また、その後も定期的に歯科医院を受診することで、むし歯予防や歯並び、噛み合わせの問題の早期発見、治療にも繋がります。
お子さんも小さな頃からかかりつけの歯科医院に通うことで、最初はぐずっていたとしても段々と慣れてきます。気になることがあれば、ぜひ歯科医院への受診をおすすめします。
口呼吸(お口ポカン)による口腔乾燥が原因の場合は、
さまざまな悪影響があるので、早期対策が必要です
くに歯科クリニック
清水 国彦先生
新潟大学歯学部卒業後、同大学歯学部附属病院や金沢市内の歯科医院などで勤務。現在は、くに歯科クリニック理事長を務める。