【小児科・小児皮膚科】乳幼児の肌荒れケア

Q乳幼児の肌荒れの原因とケアを教えてください。

A表皮が薄く敏感なので「洗浄」「保湿」でケアを。

赤ちゃんの表皮の厚さは大人の半分の約1ミリといわれ、とてもデリケートです。成長にしたがって厚く丈夫になりますが、乳幼児はまだ薄く保湿力も低いため、外的な刺激に弱く、汗やよだれなどで簡単に肌荒れしてしまいます。一方で、汗腺の数は大人と同じ。小さな体に対して汗の量が非常に多く、あせもができやすいのです。

スキンケアとしては「洗浄」と「保湿」が基本です。乳幼児は汗をよくかき、皮脂の分泌量も多いので、しっかりと洗い流しましょう。ボディソープは洗浄力が強い場合があるので、固形せっけんがおすすめ。ネットでホイップクリームのように泡立て、手でやさしく洗うことで、皮ふへの刺激を軽減できます。洗った後は肌のバリア機能を補う保湿を。保湿剤は、香料などを含まない低刺激のものを選んでください。夏場は汗をかいてベタつくのでジェルやローションタイプ、冬は保湿力高めのクリームなど。敏感肌用の保湿剤を親子で兼用してもよいでしょう。

Q1歳半児が日焼け止めで乾燥。塗らない方がいい?

A外出時の日焼け止めは必須。顔の洗い忘れに注意。

 近年、オゾン層破壊が進み、昔よりも紫外線が強くなっています。紫外線は乳幼児の薄い皮ふに強い刺激があり、赤くなって腫れたり、バリア機能を低下させたりすることも。とはいえ、紫外線には骨を丈夫にする働きがあり、暑くなってくると外遊びの機会も増えます。紫外線が強い時期は必ず日焼け止めを塗ってあげましょう。使用するのは、せっけんで落とせ、紫外線吸収剤不使用のものを。日常生活ではSPF値20〜30、PA値++〜+++のもので十分です。肌のシワに添って塗ると、塗り残しが防げます。

日焼け止めを塗った後に肌が乾燥するのは、洗い流すのを忘れているのかもしれません。乳幼児の場合、手足は頻繁に洗いますが、顔は忘れがち。せっけんで丁寧に洗った後、しっかり保湿してあげることも大切です

夏場のあせも対策はシャワーが1番。できないときは、ホットタオルでひと拭きすると肌がベタつかないですよ。

小児科・小児皮膚科

なかそねひふ科クリニック

中曽根 裕子先生

金沢大学皮膚科学教室入局後、金沢大学付属病院など様々な病院を経て、現クリニック開業。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。