【乳腺外科】乳がんについて

Q乳がんの注意するポイントは何ですか?

A妊娠中や授乳中は見つけにくい点です。

 妊娠や授乳によって乳房は変化しますが、この変化と乳がんとの区別が難しいです。触診でもマンモグラフィでもエコーでも難しいですが、充分注意して総合的に判断します。
 ところで、『がん』ですが、これは命に関わる悪性腫瘍のことです。母乳をつくる組織、乳腺からできるものが乳がんです。早期乳がんは9割以上治りますが、進行すると命に関わることもありますので早期発見が大切です。
 乳腺に良性腫瘍もよくできますが、基本的に良性腫瘍ががんに進むことはありません。乳がんになりやすい年齢ですが、20代や30代よりも40代がとても多いです。遺伝を気にする人も多いですが遺伝性乳がんは少なく全体の1割程度です。最近乳がんが増えていますが、食事の影響、特に動物性のたんぱくや脂肪、アルコール摂取が増えていることが要因と言われてます。食生活の変化によってよって乳がんが増えていること、妊娠・授乳中は乳がんを見つけにくいことを知っておくことが乳がんから身を守るためには大切です。

Q早期発見に向けては?

A自分の乳房に普段から意識を向けておくことが大切です。

 以前から自己検診、自己チェックはよく言われますが意外と難しいです。最近では、的確な日本語訳はまだありませんが、Breast Awareness(ブレストアウエアネス)が言われています。これは普段から乳房を意識して、正常な状態を知る、意識する。その上で自己チェックなどでしこりなど通常とは異なるもの、違和感を感じることなどを指します。簡単に言うと、いつもと違うと感じたら乳腺科を受診する、と言うことです。
 自己チェックのタイミングですが、生理があるとき、生理前の張っているときは正常のゴツゴツした乳腺としこり
の見分けが難しいので、張りが少ない生理後1週間くらいがベストです。
 また助産師さんは妊娠や授乳に伴う乳房の変化に詳しいので頼りになります。ぜひかかりつけの助産師さんを見つけてください。

「違和感を覚えたら、一人で悩まず必ず誰かに相談を。医師やかかりつけの助産師さんなどを上手に頼りましょう。」

横山 浩一先生

乳腺外科

金沢メディカルステーションヴィーク

横山 浩一先生

自治医科大学を卒業後、様々な病院を経て現クリニックの乳腺外科医として勤務。日本外科学会専門医。日本乳癌学会乳腺専門医。