【眼科】子どもの逆さまつげ

Q子どもの逆さまつげが気になります。

Aまつげがやわらかいので、本人は気にならない場合も。

 小さな子どもに見られることが多い逆さまつげ。大人でもなることがありますが、大人と子どもの逆さまつげには大きな違いがあります。子どもに見られる逆さまつげは、成長途中にあるぷっくりとした下まぶたによって発生します。分厚くぷっくりとした下まぶたに下まつげが持ち上げられ、眼球の表面に触れてしまいます。
 逆さまつげは日本では半分の子がなっているといわれるくらい多いもので、特別なことではありません。また小さな子どもは毛がやわらかいので、親が気になっていても、本人はそれほど気になっていない場合も。ただ程度によってはまつげがごりごりとこすれて涙がいっぱいでてきたり、まぶしがったり、目をしばしばさせている場合もあるので、気になる方は診察に行きましよう。下手にこすると余計に荒れる原因になるので注意が必要です。

Q目をしばしば、涙ぐんでいて心配です。

A点眼で様子を見ましょう。他の病気の可能性も。

  子どもが逆さまつげになっている場合、基本的には様子見ですが、目をしばしばさせたり涙ぐんだりしている際は、点眼を行います。そうして様子を見るうちにほとんどの子どもは、小学校に上がる前に、成長とともに自然に治ります。それでも治らず、絶えずまつげが当たっていることで眼球の表面に傷がつき、乱視になる可能性が考えられる場合は、内側に向いているまぶたを起こすような手術を行います。
 気を付けてほしいのは、涙ぐんだり、目をしばしばさせたりするなどの症状には、他の病気が隠れている場合があるということです。同じ涙ぐむという症状では鼻涙管閉塞(びるいかんへいそく)という病気が特に多いです。涙が鼻の奥に流れていくための通り道である鼻涙管(びるいかん)がつまっていることで、涙がこぼれやすくなる病気です。自分では判断が難しいため、一度お医者さんに診てもらうと安心です。

「自然と治る場合が多いので見守ることがほとんどです。ただ他の病気が隠れている可能性も考えましょう。」

宮内 修先生

眼科

みやうち眼科

宮内 修先生

金沢大学医学部卒業後、国内外の様々な病院を経て、平成21年にみやうち眼科開業。日本眼科学会認定眼科専門医。