子宮復古不全について

Q子宮復古不全について教えてください。

Aお産の後、子宮の戻りが悪くなることです。

妊娠・出産によって大きくなった子宮が正常な大きさに戻らない状態をいいます。通常だと6センチほどの子宮が、出産前には赤ちゃんと胎盤など5キロ程度が入った大きな袋状になります。分娩後は急速に収縮し、約6週間で元に戻りますが、なんらかの原因で戻りが悪くなることがあるのです。最も多いのが、子宮に胎盤や卵膜などの胎児付属物が残り、収縮を妨げているケース。そのほか、巨大児や多胎妊娠で子宮が大きくなり過ぎた場合などに起こることもあります。

子宮の収縮が弱いと、出血が多く、血性の悪露(子宮から出る排出物)が長引きます。逆に子宮に血液がたまり、全く出血がない場合も要注意です。分娩後1カ月たっても改善しないときは、超音波で子宮内部を検査。診断が確定したら、子宮収縮剤、止血剤、抗生剤(感染予防のため)を投与します。薬で改善しない際は、子宮内の残存物を除去する処置を行います。

Q産後の体の回復のために、どう過ごせば良いですか?

A出産後1カ月はしっかり体を休ませましょう。

昔から日本では、分娩後しばらくを「産後の肥立ち」といい、妊娠・出産で変化した体が元に戻るまでの大切な時期としてきました。医学用語では、分娩後6〜8週間の「産褥期」にあたります。お産を終えたばかりでまだ体調は万全ではなく、疲れがちで発熱もしやすい不安定な状態です。

この時期には、前で述べた子宮復古不全や乳腺炎などの症状のほか、骨盤のゆがみによる歩行困難、腰痛、腱鞘炎、産後うつなど様々な心身の不調を訴える方も少なくありません。「すぐに元の生活に戻りたい」と焦る気持ちはわかりますが、妊娠・出産という長丁場を終えた体は疲れ切っています。産後1カ月は自宅で母子ともに安静に過ごしましょう。1カ月検診で経過良好と認められたら、少しずつ体を動かしてOKです。骨盤体操など筋力回復を促す運動を専門家のアドバイスを受けながら実践してみてください。

産後6週間は体の回復に必要な大切な時期です。
体調に配慮しながら、家事も最小限にして安静に。

早稲田 智夫先生

産婦人科

アンジュレディースクリニック

早稲田 智夫先生

金沢医科大大学院医学研究科修了。公立能登総合病院産婦人科医長
金沢医科大学医学部講師を経て、2015年より現職。