【内科・呼吸器内科・アレルギー科】気管支喘息について

Q気管支喘息(喘息)はどんな病気ですか?

A咳や喘鳴を伴う呼吸困難を繰り返す病気です。

気管支喘息にかかると、空気の通り道である気管支の壁に炎症が起こり、厚く腫れ上がって狭くなるため、咳き込んだり、呼吸ができず苦しくなってヒューヒュー、ゼーゼーという音(喘鳴)がするようになります。症状は夜から朝に悪化しやすく、日中は楽になる傾向があります。初めは軽い咳のみのことも多く、医者に受診しようと思っているうちに治まり、気づかず過ごしていることもあります。

治療には、痰を出しやすくする去痰剤、気管支を拡げる気管支拡張薬、炎症をおさえる吸入ステロイド薬やロイコトリエン拮抗薬などを使います。ひどくなってしまうと酸素を取り込めなくなり、命に関わる危険性もあるので、入院して酸素吸入や人工呼吸器による呼吸管理を行うこともあります。
お子さんが夜に咳で眠れない、風邪をひいた後に咳だけ止まらない、ほかの風邪症状がないのに咳だけが続く、エアコンにあたると咳が出るなどの症状があるときは医師に相談しましょう。

Q子どもの場合、喘息の診断が難しいと聞きますが…

A先天性疾患や感染症を考慮し、慎重な診断が必要。

小児の場合、正確な治療のために「乳児期」「幼児期」「学童期」に応じて、ほかの病気との見分けが必要です。
全期を通しては、鼻水が喉に垂れる後鼻漏症候群やアレルギー性鼻炎、親の喫煙による受動喫煙、百日咳などの感染症、「乳児期」は食事による誤嚥や呼吸器系の先天異常、「幼児期」はインフルエンザ菌、肺炎球菌などによる遷延性細菌性気管支炎や気道異物や胃食道逆流症、「学童期」以降は心因性咳嗽や習慣性咳嗽、喘鳴や呼吸困難を伴わない咳喘息などが考えられます。また、ウイルス感染によって喘鳴を発症した場合や、親が喘息やアトピー性皮膚炎であったり、血液中の好酸球数が多い、食物や吸入アレルギーがあるなどの要因が多いと、喘息へ移行する可能性が高くなります。普段の症状を正確に把握し医師に伝えるとともに、アレルギーがないかもチェックしておくことが大切です

小児の喘息はアレルギー性の要因も大きいので生活面での注意が必要。
ダニやハウスダストに気をつけて。

戸部 勇保先生

内科 呼吸器内科 アレルギー科

とべ内科クリニック

戸部 勇保先生

金沢医科大学卒業後、金沢医科大学病院呼吸器内科、関連病院勤務を経て、2016年に同クリニックを開設。