【小児科】冬の感染症について

Qコロナ禍の中、冬に流行する感染症を知りたいです。

Aほとんどは自然治癒しますが、重症化に注意が必要。

この冬は新型コロナの影響で病院にかかりにくくなる可能性があるため、正しく感染症を理解しておくことが大事です。一般的な風邪は喉の痛みや咳、鼻水の症状が中心で発熱はあっても軽度ですみますが、気温や湿度が低い冬に流行するインフルエンザウイルスやRSウイルスは、重症化することがあります。どちらもくしゃみや咳や手からうつり、学校や園で流行しやすい感染症です。免疫ができにくく毎年かかるお子さんもいます。

インフルエンザは、咳や鼻水などの症状に加えて、急なだるさ、寒気、関節痛とともに38度以上の高熱が出て数日続きます。肺炎や中耳炎、高熱によるけいれん、異常行動、意識障害を起こすことがよくあり、稀に急性脳症になることもあります。RSウイルスは、インフルエンザと症状が似ていますが、小学生以上では高熱は出ず、症状は軽症です。しかし、赤ちゃんは咳がひどくなりやすく、肺炎や気管支炎、中耳炎を起こしたり、入院に至るケースもよくあります。

どちらも診断には検査が必要ですが、自然に治る病気で対処療法が基本。安静と水分補給が大切です。寒がるときは温め、暑がるときは氷嚢や冷却ジェルシートで首や脇を冷やして。解熱剤は、高熱によって水分が取れず眠れない場合などに使用しましょう。

Q予防法とかかった場合の対処法を教えてください。

A重症化予防のために、ぜひ予防接種をしましょう。

新型コロナ対策と同様に、手洗い、外出時のマスク、三密を避けること。しかし、乳幼児の集団生活で流行すれば、感染を完全に防ぐことは難しいです。インフルエンザの重症化予防には予防接種しかありません。生後6か月以上が対象なので、ぜひ接種してください。また、症状があり受診する場合は夜間休日をできるだけ避け、平日日中の受診を心がけるように。迷うときは、かかりつけ医に電話したり、夜間は「子ども医療電話相談」(#8000をプッシュ)を使うとよいでしょう。

インフルエンザ対策には予防接種が最善。
夜間や休日に受診に迷ったら、公共の子ども医療電話相談の利用を。

小児科

松田小児科医院

武田 万里子先生

金沢医科大学卒業。金沢医科大学病院小児科、恵寿総合病院、スマイルこどもクリニック松本院を経て現職。二児の母。