【小児科】発達障害・HSCについて
QHSCと発達障害の子の特徴の違いを教えてください。
AHSCとは敏感な感受性を持つお子さんのことです。
発達障害(神経発達症)とは、脳の機能障害によって、情報処理の仕方や速さ、物事の感じ方や理解の仕方が一般と異なってくる疾患です。その中にはADHD(注意欠如・多動症)や自閉スペクトラム症などがあります。
一方、HSCとは「Highly SensitiveChild(ひといちばい敏感な子)」(エレイン・N・アーロン著)の頭文字から名づけられた”敏感な気質を持つ感受性豊かな子どもたち”のことです。生まれながら敏感な性格を持ち、5人に1人がこの気質と言われています。HSCには、①物事を深く考える ②刺激を強く感じやすい ③共感力が強く感情の反応が強い ④小さな刺激や変化に気づきやすい、という4つの性質があります。敏感さから生じる不快や不安、怖さなどを言葉で伝えることができないため、突然泣いたり、暴れたり、最終的にはかんしゃくなどの行動で気持ちを表現する場合もあります。
Q発達障害の子やHSCにどう寄り添えばよいですか?
A特性を理解し、ペースに合わせてサポートしましょう。
小児科外来には「夜泣きがひどく布団に寝かせてもすぐ起きて、昼寝もあまりしない」「離乳食を食べてくれない」などの困りごとを抱えたお母さんが「発達障害ではないですか?」と相談に来られることがあります。状況をよく聞いていくと、困った行動の背景に、大人が気づかない音やにおい、チクチクする服の肌触りなど様々な刺激に子どもたちが反応して、不快や不安に感じたり怖いと思ったりしていることがわかってきます。
大切なのは、お母さんとともにお子さんの気持ちを理解しながら、小さな目標の達成体験を積み上げていくこと。刺激に対応する力を引き出し、環境をより刺激の少ない状態に調整していくと、安心し自信をもって行動するようになります。お子さんのペースに合わせてサポートしていくことで、日々たくさんの喜びや発見が得られ、楽しい子育てにつながっていくと思います。
発達障害の子もHSCも成長のプロセスは様々。
お子さんの行動の背景や特性を見つめ理解することが大切です。
ふじさわ眼科小児科クリニック
藤澤 裕子先生
川崎医科大学卒。富山医科薬科大学(現富山大学)、金沢医科大学小児科勤務後、2003年より現クリニック勤務。