【トピック】気になる鼻や耳の症状
鼻血
鼻炎や鼻の傷・粘膜の炎症が原因
鼻をかんだときによくおこりやすい鼻血。一般には、風邪による鼻炎やアレルギー性鼻炎、鼻の中の傷、副鼻腔炎による粘膜の炎症などが原因です。何回も繰り返すと心配になりがちですが、ほとんどは深刻なものではありません。ただし、出血量の多い鼻血を繰り返すときや、歯茎の出血や皮膚の内出血をともなうときは、血液疾患や鼻の腫瘍などがないか、しっかり検査を受けてください。
鼻血の対処法
下向きで10分の圧迫止血を
鼻血が出たほうの小鼻をギュッとおさえる、あるいは両方の小鼻を親指と人差し指でつまみます。どちらも約10分間しっかり押さえて、圧迫止血します。よく上を向かせて首をトントン叩く人がいますが、そうすると血がのどに流れて気持ち悪くなります。なるべく下向きで止血し、血は飲み込ませないように。30分押さえても止まらない、顔色も悪いといったときには、すぐに耳鼻科か救急病院へ。
耳垢栓塞(耳あかが詰まった状態)
通常は自然に排出される
耳あかがたまり、耳の穴がふさがっている状態のことです。人には耳あかを自然に排出する自浄作用があるので、それほど心配することはありません。耳あかには乾性と湿性があり、ベトベトした湿性耳垢は耳垢栓塞になりやすい傾向があります。うまく排出できずに穴が詰まってしまうと、耳の聞こえが悪くなることもあります。
耳掃除の方法
耳あかは耳鼻科で取ってもらうのが安全
耳あかが詰まっていて気になる場合は、耳鼻科で取ってもらいましょう。お母さんが綿棒などで取ろうとすると、かえって押し込んでしまうことがあります。さわりすぎて外耳炎になることもあるので要注意です。耳鼻科では、光で照らしながらピンセットや専用の吸引器で取るので安心。子どもが嫌がって、なかなか取りにくい場合には、耳あかをやわらかくする薬でふやかして取りやすくします。
鼻・耳・喉のつらい症状があれば耳鼻科の受診を
鼻血も耳垢栓塞も、一般的にはそれほど気にする必要がないですが、何度も繰り返す場合や症状が重い場合、とくに鼻血は耳鼻科の受診をおすすめします。
耳鼻科系の病気で、秋から冬にかけて増えるのは、溶連菌感染症です。細菌性感染症で、発熱や喉の痛みが主な症状です。手足の小さな発疹や舌にツブツブができることもあります。検査で病気が確定すると、抗生物質を7~10日飲んで治療します。新型コロナと症状が似ているので、当院ではまず抗原検査を行い、陰性となった場合、疑わしいと思われる病気の検査へと進めています。
肌寒くなる時期なので、風邪にかかる子どもも増え、その合併症の中耳炎も多くなります。鼻と耳はつながっていて、汚い鼻水によって耳も感染しやすいのです。風邪の鼻水が黄色く粘り気が出てきたら、すすらず、かむようにすること。こうした注意をして中耳炎を予防しましょう。
よく小児科と耳鼻科の受診を迷われるお母さんがおられます。その場合、耳鼻科受診の目安は「鼻」「耳」「喉」の症状があるときです。鼻水でつらそうなら、吸引器で痛くなく除去できるので、たまっている鼻水が取れて楽になります。鼻や喉に薬を吸引する機器も揃っており、症状の悪化も防げます。小児科に通院して、鼻・耳・喉の症状が回復しないときにも、ぜひ受診してみてください。
小森耳鼻咽喉科医院
橋本 春実 先生
金沢大学医学部卒業後、県内の病院を経て、小森耳鼻咽喉科医院副院長に就任。日本耳鼻咽喉科学会認定耳鼻咽喉科専門医。