雪を見つめるまなざしに学ぼう
我が子にもっと優しく温かく、
思いやりをもって育ててあげたいものですね。
私の大好きな金子みすゞさんの詩を、
皆様にどうしてもお届けしたくて書きました。
積った雪
上の雪
さむかろな。
つめたい月がさしていて。
下の雪
重かろな。
何百人ものせていて。
中の雪
さみしかろな。
空も地面もみえないで。
『金子みすゞ童謡全集』(JULA出版局)より
何と優しいのでしょう…、何と温かいのでしょう…、心の奥の、もっと深い場所で胸がギュッと苦しくなるくらい感動します。保育者として、金子みすゞさんの心で見る精神を、ずっと持ち続けたいものです。目の前にいてくれる子どもたちに限りない愛を注ぎたい、愛情のシャワーを惜しみなく注ぎ続けたい、保育者であることの幸せに感謝します。
子どもは、存在してくれているだけで素晴らしいのです。傍らにいてくれるだけでいいのです。産まれてきてくれて本当にありがとう!パパとママを選んでくれてありがとう!そんな気持ちで育み、育てられれば、必ず将来は愛情深き成人となります。幼少期の育ちは、将来の人間性、人間関係、夫婦関係、社会性にまで関わります。 子どもは育み育てることが大切です。単に育てるだけでは十分ではないのです。優しさや温もりを多くもらい、多くの言葉がけや対話をしながら「育まれた」人は、強い心や忍耐を持てる人間として成長します。心の育ちが貧困では悲しいです。育てるだけではなく育む大切さを認識し、子育てに励みたいものです。
金子みすゞさんの詩は、目に見える事象も大切にしていますが、目には見えないけれど存在する事象を宝物のように大事にする内容がほとんどです。
有り余る物質に囲まれ生活を営む私たち、今こそ資源には限りのあること、物を大切にする心、目には見えないけれどあるもの、空気や風の動き、自然の臭い、優しさや温もりの愛の心…、親離れの時期は嫌でも訪れます。せめて親離れの時までは、たっぷりと心を込めて育てたいものですね。