見えないものを伝えたい
金子みすゞさんの詩は、私の人生のバイブルです。
優しさあふれる詩を数多く残した金子みすゞさん。
今回の詩は、目には見えないものを詠っています。
子どもたちにもぜひ伝えていただきたいと思います。
星とたんぽぽ
青いお空のそこふかく、
海の小石のそのように
夜がくるまでしずんでる、
昼のお星はめにみえぬ。
見えぬけれどもあるんだよ、
見えぬものでもあるんだよ。
ちってすがれたたんぽぽの、
かわらのすきに、だァまって、
春のくるまでかくれてる、
つよいその根はめにみえぬ。
見えぬけれどもあるんだよ、
見えぬものでもあるんだよ。
『金子みすゞ童謡全集』(JULA出版局)より
保育者として、今もこうして過ごせていることを、うれしく、楽しく、幸せに思います。毎日が感謝の心でいっぱいです。子どもといると心がどんどん浄化され柔らかくなり、元気がわき出てきます。子どもは不思議なパワーを持っていて、いながらにしてスピリチュアルスポット、森林浴ならぬ子ども浴で癒され、元気をもらえることが何と多いことでしょう。多くのママたちも体感されていると思います。しかし、この愛しき子どもが親から虐待されるニュースが後を絶ちません。辛くて苦しくてどうしようもない気持ちになります。
今回は金子みすゞさんの『星とたんぽぽ』。みすゞさんの詩は私の保育者としての心の原点です。私たちは目には見えない「命」「愛」「空気」「思いやり」「優しさ」「温かさ」などを日常生活の忙しさで忘れがちです。先記の子どもへの虐待は、目には見えない大切なもの、深い愛情を親が幼少期に伝えられなかった悲しいケースではないでしょうか。
東日本大震災で、避難を余儀なくされた方々が多くおられます。また昨今は地球の自然体系に異変が起きているといわれています。今の時期だからこそ、子どもたちに、目には見えないものの大切さを教えなくてはいけないと思います。幸せなことに子どもの心は美しく、とても柔軟です。見えないものの力で生かされているという感性や感覚、見えないものもあるのだということを伝えていただきたいと思います。愛しき我が子に美しい地球と素晴らしい未来をプレゼントしたいですね。