関係育む会話のコツ

前回に引き続き、すやたずこ先生の子育て講演会(本誌主催)の要旨をお届けします。
これまで、子どもが育つ「魔法の言葉」や、健康な心と体を育む「食育」について出来合いの惣菜を活用する裏技などを教えていただきました。
後半は子どものやる気をうまく引き出す会話の方法、注意の仕方や褒め言葉についてのお話です。

「平行交流」「交差交流」という言葉をご存知ですか?

例えば、子どもが中学生になり、松井秀喜選手のようなプロにあこがれ、野球部に入ったとします。ところが、2ヵ月後に部活を辞めたいと言ってきました。そのとき「何を言ってるの、松井選手みたいになりたいんでしょ? 辞めたらダメ」。このような口調で、子どもの話を聞かずに強要や強制をしてまうのが、交差交流です。

「お母さん、おれ野球部辞めたくなった」。「あら、何で?」。「だって、毎日グラウンド整備とランニングだけだし…」。「グラウンド整備と走るだけなの。それは大変ね」。「うん、あと球拾いも。おれら毎日毎日そればっかり」。「あらっ、『おれら』って、あなただけじゃないの?」。「うん、1年生全員」。「あら1年生全員なの?」。そこまで話すと、その野球部では3年生が引退した後に、1年生の本格的な練習が始まることを互いに確認しあい、最後には「おれ、やっぱり野球部で頑張る」という言葉がでます。これが平行交流。子どもが「痛い」と言ったら「痛いね」、「辛い」と言ったら「辛いね」と言ってあげましょう。会話を「平行」させることで、子どもはもちろん、自分の気持ちも楽にできます。

また褒め言葉は必ず後に言いましょう。「あなたは本当にかわいくて大好き。でもねお片付けをしないのはダメ」というのは、よくありません。必ず「注意の言葉」を先に言ってください。

最後に、すべてのママさんへ。いきいきと輝いて時間を重ねましょう。そして笑顔磨きの実践をしましょう。笑いの数だけ心も体も元気!元気!