育ちの差も個性のうち

子どもの成長過程で気になるのが、同年齢の他の子の育ち具合。
健やかな成長を願うあまり、「他の子と比べてうちの子は…」 とつい比較してしまいがちですね。
でも、育ちの 「早い」 「遅い」 も子どもの個性の一つなのです。

親というものは、何かにつけてわが子とよその子を比較してしまいます。行動や言語、身長、体重などなど…出来、不出来 (または早い、遅い) といった部分を見比べては、優れているところを見つけると喜んだり得意になったり、反対に少しでも劣っているところがあると悲しんだり心配したり、時には失望したりします.

誕生してくる子どもたちは、一人一人みんな違った育ち方をします。世の中に数多く出回っている育児書や情報の中身は、すべて平均値についての話なのですから、わが子の成長度合いをそれらと比較したり、遅れているからといって 「病気ではないか」 と悩んだりするのは意味がありませんし、愚かなことなのです。

長年、保育の仕事に携わっていると 「先生、うちの子はまだおむつが取れないんです」 「言葉が出てきてもいいころなのに、話ができなくて不安です」「おしゃぶりを離しません」 「ハイハイができなくて…」 「歩き始めるのが遅いんです」 など、いろんな相談を受けました。そのたびに、「心配しないでください。小学生や中学生になってもそのままの子はいません。他の子と比べずにゆっくりと見守ってあげてください。それぞれの育ち方がありますから」 と答えてきました。その言葉通り、子どもたちはみな心身とも立派に成長していきましたよ。心配無用だったわけですね。

子どもの心と体は、一人一人その時その場で違った伸び方をしています。もし、他の子と比較して悩んでいる方がいるとしたら、まったく悩む必要はありません!! それよりも明るい笑顔と対話を心がけ、たくさんスキンシップを図ってあげてください。それが何よりの子育てにつながっていきます。