子どものおしっこの回数が多い気がします。頻尿や膀胱炎について教えてください。
卞先生の回答
「おしっこの多い時間帯や、他の症状の有無を観察するようにしてください。痛みがある時は早めに専門医の診察を受けましょう
目安は1日に10回以上
正しい排尿習慣も身に付けて
一般的におしっこの回数は、(約1時間おきに排尿する)生まれたばかりの赤ちゃんの時期から、体の成長に伴い減少していきます。個人差はありますが、排尿機能が成熟する4〜5歳以降になっても1日に10回以上や、立て続けにトイレに行く場合は、頻尿の疑いがあります。
原因の1つとして、男児は尿道炎や亀頭包皮炎、女児は膀胱炎などの細菌感染が挙げられます。体内に入った菌が外へ出ず繁殖し、病気になることもあるため、おしっこは我慢しないよう注意してあげてください。
排尿時に痛みがあったり、発熱の症状がある時は、細菌感染の可能性があります。尿検査や外部診察で特定でき、薬で治るので泌尿器科や小児科の先生に早めに診てもらいましょう。排尿が自立したら正しい習慣を(女児は拭き方なども)身につけさせてあげることも大切です。
ストレスや不安を取り除き
優しく接してあげましょう
また、お子さんで多く見られる原因が心因性です。特に痛みや炎症が無い場合は、精神的な要因やストレスによるものと考えられます。幼稚園や家庭での緊張、あるいはおもらしをしたり他人のそのような場面を見た経験から、不安が先立ち過剰に尿意を感じてしまう子もいるのです。心因性の特徴としては、症状が現れるのは昼間だけでおねしょもしないなど、時間帯によっても判断できるので、まずはきちんと観察してあげてください。あまり神経質にならず、不安を取り除き優しく接してあげることが早期解決にもつながります。
卞 在和 先生
べんクリニック 院長
金沢医科大学卒業後、同大学泌尿器学教室入局。1992年董仙会恵寿総合病院泌尿器科科長を経て、2002年より現職。日本泌尿器科学学会認定専門医。