前歯の間に隙間ができ「ひだ」のようなもの が入り込んでいます。大丈夫でしょうか?

嶋先生の回答
口腔内に異常を発見しても、焦らず、矯正歯科医・小児歯科医に判断を任せましょう。

それが小帯異常であれば歯並びに関係してくることも

 上の前歯2本に隙間ができる状態を「正中離開(せいちゅうりかい)」といいますが、それは永久歯と乳歯が混在する混合歯列期に見られる正常な現象です。犬歯が生え替わる頃には、その隙間は自然に閉じていきます。ですが、その正中離開部に「ひだ」のようなものが太めに入り込んでいる場合には「小帯付着異常」が考えられます。小帯(しょうたい)とは、頬や唇の内側の粘膜と歯ぐきとの間に縦に走る、細いひだのような部分のことです。その小帯の異常により、前歯がでこぼこするなどの良くない噛み合わせ「不正咬合(ふせいこうごう)」を引き起こしてしまうことがあります。

小帯付着異常になった口腔内。

不安があればまずはお近くの歯科にご相談を

 前歯の隙間が異常に大きく、その原因が明らかに小帯付着異常であると診断されれば、小帯を切除する必要があります。ですが、切除しただけでは前歯のすき間は閉じませんので、その後、矯正歯科での治療が必要となるでしょう。また、乳歯列期の小帯の異常は、重度であっても小帯切除は混合歯列期まで待つべきです。正しい判断をするためにも、矯正歯科医や小児歯科医による十分な診査や診断が必要です。

嶋 浩人 先生

医療法人社団 しま矯正歯科

新潟大学歯学部卒業、金沢医科大矯正歯科学教室を経て、2004年から現職。日本矯正歯科学会認定医。