子どもの口臭が気になります。歯は問題ないのでそれ以外に原因があれば教えてください

石丸先生の回答
子どもの口臭は、歯に問題がなければ、鼻への異物混入の可能性が高いです。

原因は虫歯や副鼻腔炎より
鼻への異物混入

口臭には、さまざまな原因が挙げられます。成人の場合、歯の根っこが炎症を起こす歯周病や、細菌に感染して鼻の奥に膿みが溜まる副鼻腔炎によるもの、またアレルギー性鼻炎などで鼻が詰まっている場合、口呼吸のため口内が乾き、臭いを浄化する唾液の働きが失われるため口臭が発生するともいわれています。
ただし、小さい子どもの場合は虫歯や副鼻腔炎が悪臭を放つほど悪化することはあまりありません。これまでの診察で最も多いのは、鼻に異物が混入しているケースです。
子どもは、成長とともに好奇心も旺盛になり、道端の石やおもちゃなどを鼻に入れることがあります。
例えば、小さなプラスチック片などが2~3日間鼻に入っていると、雑菌に感染して炎症を起こし、やがてすっぱい鼻息が出るようになり、最終的には強い口臭につながります。

子どもは伝えられないことも
口臭に気づいたら受診を

子どもは、異物が入っていても状態を上手く伝えられなかったり、親が問いただすと叱られると思い、黙っていることもありますので注意が必要です。
口臭に気づいたら、まず耳鼻咽喉科を受診してください。鼻の奥まで異物を押し込んでいる場合は内視鏡で診察し、異物があればピンセットで取り除きます。鼻汁が詰まっている場合は、吸い出して、抗生物質を投与します。
子どもでも「口が臭い」と言われるのは嫌なものです。口臭は、コンプレックスやいじめの原因にもなりかねません。なるべく早めの対応をこころがけましょう。

石丸 正 先生

石丸 正 先生

ひょうたん町耳鼻咽喉科医院 院長

関西医科大学卒業後、金沢大学医局、多数の地域病院で経験を積み、2007年より現職。医学博士、日本耳鼻咽喉科学会認定専門医、石川県医師会理事。