子どもが、すきっ歯(前歯)なのですがどのような治療が必要なのでしょうか?

嶋先生の回答
3ミリ以上スペースがある場合は、1度、矯正歯科医に相談しましょう。
症状に応じて治療を行うことが大切です。

3ミリ以上のすきまは
自然に閉じないので注意を

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上の真ん中の歯の間にスペースが空いていることを正中離開(せいちゅうりかい)といいますが(前回で説明)、正中離開が3ミリ以上ある場合は、そのスペースが自然に閉じていくことはありません。原因は(1)前歯の間に余分な歯が埋まっている「正中過剰埋伏歯(せいちゅうかじょう、あいふくし)」、(2)2番目の前歯(側切歯)が生まれつき欠損している「先天欠如歯(せんてんけつじょし)」、(3)「上唇小帯(じょうしんしょうたい)の付着異常(ふちゃくいじょう)」【写真】が考えられます。
(1)、(2)はレントゲンを撮って審査します。(1)については、いつ歯を抜くべきかの判断が必要です。また、過剰歯を抜いた後も、前歯の捻転(歯が曲がって生えている)が残る場合もあるので、注意が必要です。(2)については犬歯が萌出しても(前回参照)、正中離開が閉じない場合が多くあります。
3ミリ以上の正中離開がある場合は、矯正歯科医は診断した後、(1)から(3)に対する処置を、口腔外科医、歯周病医や小児歯科医と協力して治療を行い、前歯のスペースを閉じてきれいな歯並びになるまで、経過をみることになります。

嶋 浩人 先生

嶋 浩人 先生

しま矯正歯科 院長

新潟大学歯学部卒業、金沢医科大矯正歯科学教室を経て、2004年から現職。矯正歯科専門医。