上顎の奥歯(6歳臼歯)が手前の乳歯に ひっかかって生えてこないのですが?
嶋先生の回答
放置したり、乳臼歯を抜くだけでは、かみ合わせが悪くなることがあるので、1度、矯正歯科医に相談されることをおすすめします
異所萌出(いしょほうしゅつ)という症状 6歳前後に判明することが
右の写真1(治療前のレントゲンと写真)のように、奥歯が手前の乳臼歯にひっかかり、きちんと生えてこないお子様は当院でもたまに見受けられます。これを、第一大臼歯の「異所萌出」と言い、その割合は2%~43%との報告もあり決して少なくはありません。また、下顎より上顎に多く、右左どちらかにだけ認められることが多いのです。原因として、①乳臼歯が大きい、②形が膨らんでいる、③上顎歯列の幅が狭い、などの理由が考えられます。
この症状は「6歳臼歯(第一大臼歯)」が萌出する、6歳前後に判明することが多く、口の中を直接見たり、レントゲンを撮ることで明らかになります。
「6歳臼歯」はかみ合わせの“要”になりますので、放置すると大臼歯が正常な位置に萌出せず、かみ合わせが悪くなってしまいます。また、ひっかかっている手前の乳臼歯を抜くだけでは、隣の歯も生えてこない場合もあるため、注意が必要です。歯科医院で指摘をされたり、自覚症状のあるお子様は、1度、お近くの矯正歯科医に相談するようにしてください。
嶋 浩人 先生
しま矯正歯科 院長
新潟大学歯学部卒業、金沢医科大矯正歯科学教室を経て、2004年から現職。矯正歯科専門医。