乳幼児の肺炎の予防策を教えてください。 また、家の中のカビも関係ありますか?

武田先生の回答
肺炎に対する知識があれば、診断されただけで怖い病気ではありません。
まずは風邪予防をきちんとすることが大切です。

肺炎には大きく分けて3種類のタイプがあります

肺炎は、簡単に言うと風邪が悪化することでなる病気です。つまり、病原菌がのどや鼻から入り、気管を通って肺まで炎症が進んだ状態です。
肺炎には3つの種類があり、乳幼児に多い「ウイルス性肺炎」と、重症化しやすい「細菌性肺炎」、年少以上の元気な子どもに多い「マイコプラズマ性肺炎」があります。一部のウイルスや細菌には予防接種があるので、可能なものは接種することで重症化を防げます。
また、風邪をひいて抗生剤を飲ませても肺炎の予防にはなりません。大切なのは、日頃からの手洗いと十分な睡眠、栄養のある食事を心がけ、風邪を予防することが肺炎の予防にもつながります。それでも咳き込んだり高熱が続く場合は、慌てずにかかりつけ医を受診してください。

カビと肺炎に直接的な関係はほとんどありません

家の中のカビによって感染する肺炎は乳幼児ではごくまれです。神経質にならなくても、日常的に掃除をしていればカビが原因で肺炎になることはありません。
ただし、喘息と診断された子どもはカビを吸い込むことでのアレルギー反応から肺炎を起こすこともあるので注意しましょう。
肺炎は昔は怖い病気と言われていましたが、現在は医学の進歩とともに怖い病気ではなくなりました。肺炎と診断されても入院することも少なく、早めの対処をきちんとすれば重症化することはごくわずかです。

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武田 万里子 先生

医療法人社団 北斗 松田小児科医院

金沢医科大学卒業。湘南鎌倉総合病院にて初期研修後、金沢医科大学病院小児科、恵寿総合病院、スマイルこどもクリニック松本院を経て2009年より現職。