子どもの咳が続き、喘息ではないか心配です。 喘息の原因と対策を教えてください。
長沖先生の回答
咳が3週間以上続く場合は必ず受診して。
レントゲンや採血で詳しく原因を突き止めた上で、治療を進めることが大切です。
レントゲンや採血で詳しく原因を突き止めた上で、治療を進めることが大切です。
精密検査を受けて喘息の原因を調べて
喘息になると、咳が長く続き、喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒュー)、呼吸困難を繰り返します。ダニや家の埃を吸い続けた結果、アレルギーが完成し、過敏となった気管支に刺激が加わることで炎症が起き、気道が狭くなって発症します。しかし、3歳までの乳幼児は気管支が細いので、単なる風邪でも気管支炎から喘鳴を伴うことが多く、喘息と間違われることがあります。風邪なのか、マイコプラスマ菌などの感染に引き続く一時的な気管支炎なのか、ダニアレルギーによる喘息なのか区別するために、聴診、胸部レントゲン、採血が必要となります。
まずは、喘息の要因となる環境整備をすることから
親にアレルギーがある場合は子どもにアレルギーが成立しやすい体質が遺伝します。また、生活環境にダニが多く、吸入する機会が多いと、喘息になる可能性が高くなります。表皮ダニは、人を刺さないので存在がわかりにくいです。もし、ダニアレルギーがあればダニを除去しましょう。家具の中でも、絨毯、カーペット、ソファー、クッション、ぬいぐるみ、寝具類の環境整備を優先します。喘息の治療は環境整備をしたあとに始めます。気管支拡張薬の吸入、内服薬で治療を開始し、毎日の生活が順調になるよう調節しながら続けます。喘息は小学校に入学する頃から症状が軽減することが多く、約7割が成人になるまでにほぼ完治するといわれています。
長沖 武 先生
医療法人社団 金沢西病院
金沢大学を卒業後、金沢大学病院、金沢社会保険病院の小児科を経て、現在は金沢西病院勤務。日本小児科学会小児科専門医、臨床研修指導医、医学博士