指しゃぶりはいつまでにやめさせたらいいですか?

窪田先生の回答
ごく幼い時期の指しゃぶりは無理にやめさせず、見守りましょう。5~6歳を過ぎても続けると、骨の変形を起こす可能性があります

指しゃぶりは赤ちゃんの自然な行動

赤ちゃんの指しゃぶりは、胎生15~20週ごろにはすでに母胎の中で見られることがわかっています。これは偶然口に触れたものを吸う吸啜(きゅうてつ)反射と考えられています。

この吸啜反射は生後4~5ヵ月で消失し、指しゃぶりも減少していきますが、1歳ごろでもまだ眠くなったときや不安・緊張を感じたときには、指しゃぶりをすることがあります。これは、しゃぶるという行為によって快感を得たり、不安を解消したりするのが目的です。その後、言葉を覚え会話をする機会が増えていくのとともに、指しゃぶりはしなくなります。

ところが、「室内遊びが多い」「テレビやビデオを見る時間が長い」「親子の触れ合う時間が短い」といった状態が続くと、子どもは不安や寂しさを紛らわすために指をしゃぶる回数が多くなり、なかなかやめなくなるのです。

あせらず、ゆっくりやめるように働きかける

指しゃぶりは上下の前歯がかみ合わなくなる開咬を引き起こします。また上顎の前歯が前突し、口が閉じにくくなり、発音も不明瞭になります。骨格性の開咬になると本格的な矯正治療が必要になります。早期にやめれば自然治癒しやすいのですが、5~6歳を過ぎたら、できるだけ早くやめさせましょう。

ごく幼い時期の指しゃぶりは無理にやめさせないで見守りましょう。そして、戸外での遊びや運動を十分にさせてできるだけストレスを発散させたり、指しゃぶり以外のものに関心を向けさせたりしてください。

言うことがある程度理解できるようになったら、指しゃぶりをやめるよう働きかけてみてください。本人が自覚するようになったら、もうすぐです。

(協力:石川県歯科医師会)