病院で処方される薬は、症状が改善したら服用を控えてもいいですか?

蓮井先生の回答
薬は症状や年齢により処方内容が違います。
かかりつけ医に相談し、お子様に合った正しい選択をしてあげてください。

かかりつけ医に相談を
勝手にやめてはダメな場合も

一般的には、かかりつけ医に聞くのが最も確実でしょう。ただし、病気の中には症状がないからといって勝手にやめるとよくない場合があるので注意が必要です。例えば、溶連菌感染の場合は症状がなくても、約10日間は薬を飲み続けないと腎炎になったりする可能性があるとされています。また、けいれんや喘息でも途中で薬をやめてしまうと発作がおこることもありますので、正しく理解をするようにしましょう。
また、かかりつけ医には正確な情報を伝えるように心がけてください。医師は病状や合併症を考慮し、投薬量や薬の種類を決めています。ですので、保護者の判断で薬をやめた場合、正直に 「内服しなかった」 と言わないと、効果がないとみなし薬を増量したり、別の薬に変更したりしてしまうことにもなりかねません。

お子様のことを考えて
きちんと判断しましょう

子どもの場合、家庭での薬の内服は保護者の方にゆだねられています。インフルエンザ感染に対しては、処方薬(タミフル等)をしっかり内服しないと、解熱後に再び発熱することがあります。最近では、幼稚園児のインフルエンザ出席停止期間が 「発症後5日を経過し、かつ解熱後3日まで」 と従来よりも長くなりました。このため、再び発熱するとさらに解熱後3日は登園できないことになります。このような現状もふまえ、保護者の優先度(早く登園させたいのか、副作用が心配なのか)により判断は変わってくると思います。

蓮井 正樹 先生

蓮井 正樹 先生

蓮井小児科医院 院長

1983年関西医科大学卒業。1988年金沢大学医学部大学院卒業後、新港市民病院小児科、国立療養所医王病院、小松市民病院小児科勤務を経て1999年より現職。日本小児科学会認定専門医。