とびひとはどんな病気ですか?日常生活で心がけることがあったら教えてください

中川先生の回答
虫刺されなどを引っかいてしまうと、皮膚が細菌に感染してとびひになってしまう場合があります。早めに専門医を受診して適切な治療を受けるようにしましょう

虫刺されなどが
原因になることも

とびひの正式な名称は伝染性膿痂疹といいます。虫刺されやあせもを引っかいたりしてできた皮膚の小さな傷から、黄色ブドウ球菌などの細菌が入り込み、増殖するときに出す毒素がとびひの原因になります。
症状はかゆみを伴う水ぶくれやかさぶたで、目・鼻・口の周りから症状が出始めることが多く、やがて全身のあちこちの皮膚に広がっていきます。まるで火事のときに火の粉が飛び火するように見えることから「とびひ」 と呼ばれています。7歳未満の乳幼児に発症することが多く、季節では夏に多くみられますが、暖房の普及した現代においては冬でも見られることがあります。

引っかいたり
いじったりしない

治療には、原因となる細菌を退治するために抗生物質の飲み薬やぬり薬を使います。とびひは患部を触った手を介して体のあちこちに広がることがあるため、患部を引っかいたり、いじったりしないようにしましょう。他の子どもにうつしてしまうこともあるためプールに入るのは避け、入浴もシャワーで洗い流す程度にしてください。タオルや衣類を介してとびひがうつることもありますので、ほかの子どもと共有しないようにしましょう。
とびひは学校感染症ではないため登園や登校はしても差し支えありませんが、他の子どもにうつさないよう患部をガーゼや包帯で覆うようにしてください。

中川 真人 先生

中川 真人 先生

なかがわ皮膚科クリニック院長

金沢大学医学部卒業後、金沢医科大学病院皮膚科、二ツ屋病院皮膚科勤務を経て2010年より現職。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。