妊娠中に卵巣が腫れていると言われました。片方の卵巣を取ったら子どもはできにくくなりますか?

生駒先生の回答
腫れが自然に引かない場合は、手術することになります。それで子どもができにくくなるということはありません

5~6週間で自然にしぼむことも

卵巣は右と左に1つずつあり、普通は親指の先くらいの大きさです。妊娠中の検診で「卵巣が腫れている」と指摘されることは、比較的多く、原因は大きく分けて二つあります。
一つはホルモンの影響で腫れるもので、妊娠や生理の周期によって起きます。これは5~6週間で自然にしぼみますので慌てなくても大丈夫。ですから腫れていると指摘されても、大抵は「しばらく様子を見ましょう」ということになるんです。

腫瘍の場合は
捻転する前に手術を

しかし時期が来ても腫れが引かない場合は腫瘍ができていると考えられます。それが原因の二つ目なのですが、卵巣腫瘍にも大きく分けて良性と悪性の二つがあります。
良性でも悪性でも、手術で摘出することになります。放置しておいても小さくなることはないですし、6㎝を超えると捻転を起こし、強烈な痛みを伴いますので。

手術した場合も
妊娠確率は変わりません

妊娠中の手術の場合は下半身麻酔で、異常な部分だけを切除します。まれに片方の卵巣を全部取ることもありますが、それで妊娠の確率が半分になるということは、基本的にはありません。
悪性の場合は、症状によってその後の治療法が検討されますし、妊娠への影響も変わってきますが、良性の場合は安心して手術に臨んでください。

生駒 友美 先生

生駒 友美 先生

いこまともみレディースクリニック 院長

金沢大学医学部を卒業後、金沢大学附属病院産婦人科、敦賀病院、砺波総合病院、福井県立病院、金沢社会保険病院医長等を経て、2011年に石川県内初の女医による婦人科クリニックを開設。