風邪をひいて鼻水がでるとすぐに中耳炎(ちゅうじえん)になってしまいます。予防するにはどうしたらいいですか?

捨田利先生の回答
なるべく早めの受診を心がけてください。
痛みがなくなっても、治療を中断せずに再診や薬の服用は専門医の指示に従いましょう。

子どものうちは細菌が
入りやすいので注意

中耳炎は耳の構造上、中耳(ちゅうじ)と呼ばれる鼓膜の奥に、細菌が入り炎症を起こす病気です。この中耳は、耳管(じかん)という通路で、鼻とつながっています。特に乳児や子どもの場合、この耳管が太く短く、角度も水平なため、大人に比べても圧倒的に鼻やのどからの細菌が侵入しやすいと考えられています。
小さな子どもの場合、鼻やのどで細菌が増えると、2、3日後には中耳炎になってもおかしくないと言っても過言ではありません。ですので、鼻が詰まったり、濃い鼻水の症状が見られたら、早めに耳鼻科や小児科を受診することをおすすめします。

治りきるまで治療を
中断しないことが大切

風邪などが原因で起こる、急性中耳炎は、突然の発熱や激しい耳の痛みが特徴です。症状が軽い場合は、薬(抗生剤など)で比較的早く治りますが、完全に治りきるまで治療を中断しないことが重要です。痛みや熱が治まっても、鼓膜の内側に膿や液体が溜まっている滲出性(しんしゅつせい)中耳炎というものもあり、これを放置すると手術が必要になることもあるので注意してください。
また、中耳炎はクセになるという噂を聞きますが、治りきってしまえば発症する確率は、中耳炎になったことのない子どもと同じです。勝手な判断をするのではなく、治療や薬の服用については、きちんと専門医の診断を受けたうえで、その指示に従うことが大切です。

捨田利 俊文 先生

捨田利 俊文 先生

いずみの耳鼻咽喉科医院 医師

慶應義塾大学大学院修了後、静岡赤十字病院、伊勢慶應病院、沖縄県立八重山病院などを経て2012年より現職。日本耳鼻咽喉科学会専門医。