子どもの耳掃除はどのようにすれば良いですか?正しい耳掃除の仕方を教えてください。

白井先生の回答
耳には耳垢を外に出す働きがあるので、見える範囲の耳垢だけを無理せずに掃除してください。

耳垢は溜めすぎず、
取りすぎず

耳垢は、耳の中にある分泌腺(耳垢腺という汗腺の一種)からの分泌物と、古くなった耳の表皮、皮脂、外から入った塵や埃などが混在したものです。耳垢を溜めすぎると、耳の穴を塞いでしまい、耳が詰まった感じや難聴を生じることがありますが、耳垢には、外耳道(耳の入口から鼓膜まで)の皮膚の表面を保護する役割もあるので、取りすぎると外耳道を傷つけて、湿疹や炎症の原因になったり、時には、鼓膜を破ってしまうこともあるので注意してください。

耳掃除は、耳の入口から
見える範囲まで

外耳道の皮膚は1日に約0・1ミリずつゆっくりと移動し、耳垢を自然と外に出そうとする作用があるので、耳掃除は毎日する必要はありません。耳垢が溜まるのは、耳の入口から1センチ程度の場所までなので、お風呂上がりのやわらかい時に、見える範囲の耳垢だけを無理せず取るようにしてください。また、綿棒は、ベビー用の細いものを使いましょう。一般の綿棒は、子どもには太すぎるので、掃除をしているつもりが、耳垢を奥へと押し込んでしまうことがあります。
耳掃除は、お子さんが嫌がって暴れたり、周囲の人がぶつかったりして、思わぬ怪我につながることもあります。もし、耳の奥に耳垢がある場合や、お子さんがじっとしているのが難しい場合は、耳鼻科医に相談してください。

白井 明子 先生

白井 明子 先生

小森耳鼻咽喉科医院 医師

1996年金沢大学卒業後、同大学耳鼻咽喉科学教室、富山市民病院を経て、2004年4月より現職。日本耳鼻咽喉科学会認定耳鼻咽喉科専門医。