子どものでべそは放っておいても大丈夫ですか?手術が必要な場合もあると聞きました

下竹先生の回答
乳児期のでべそは、腹壁の発達とともに自然と治ることが多いです。1歳を過ぎても出ている場合には、小児科の先生に相談しましょう。

赤ちゃんの5~10人に
1人は「でべそ」

でべそは「臍ヘルニア」とも呼ばれ、生後間もない時期に、腹壁(へその緒が付いていた部分のお腹の壁)が完全に閉じなかったために、泣いたりしてお腹に圧力が加わったときに、腸などが飛び出して発生します。赤ちゃんの5~10人に1人の割合でみられ、生後3カ月ごろまでに、ピンポン玉ぐらいの大きさになることもあります。

乳児期のお子さまでは、
自然に治ることも多い

でべそは、腹壁の発達が進む1歳ごろまでに、10人中9人くらいは自然に治ります。また、この時期には、乳児のおへその弱い部分に小さなガーゼなどを詰めて圧迫することにより、腹壁の欠損部分が閉じるのを助けたり、皮膚が伸びるのを予防したりする「圧迫療法」を行うこともあります。

1歳頃を過ぎても治らない場合は、手術が必要になることも

でべそは、1歳ごろを過ぎると腹壁の構造ができあがってしまうため、ほとんど自然には治らなくなります。おへその膨らみが大きかったために、皮膚が伸びて垂れ下がったり、炎症を起こして化膿したり、細菌が繁殖して悪臭をきたしたりする場合は、手術が必要になることもあります。おへそのシワに沿って小さく切り、腹壁の欠損部を縫い合わせて閉鎖します。最近では、日帰りで手術を行うことも多くなっています。

下竹 孝志 先生

下竹 孝志 先生

石川県立中央病院 小児外科科長

金沢大学医学部卒業。京都府立こども病院 小児外科勤務を経て、2007年より現職。日本小児外科学会指導医・小児外科専門医。