子どもの花粉症について教えてください。免疫療法などは子どもでもできますか?

堀口先生の回答
検査でアレルギーの原因を知って、体内に取り込まないことが大切。

発症率は5~9歳で13.7%
症状が疑われたら受診を

花粉に対する抗体が体内で一定量を超えて発症します。大人と比べて子どもの花粉症が少ないのは花粉にふれる期間が短いためといわれますが、近年低年齢化がみられます。診療ガイドラインによれば5~9歳で13.7%、10~19歳では31.4%と大人の発症率と変わらないそうです。
一度発症すると毎年花粉の飛散時期には鼻水、鼻つまり、くしゃみ、目のかゆみなどが自覚され、高齢になると症状が軽くなるともいわれますが、発症すると長くお付き合いすることになりますので、対策は重要です。時期的によく鼻をすする、さわる、目をかゆがるなどの症状がでたら受診されることをお勧めします。

子どもは薬物療法が中心
花粉を取り込まない対策を

一番多いのはスギ花粉ですが、ヒノキ、カモガヤ、ブタクサなど時期によって花粉症の原因はいろいろあります。また通年性のダニ、ハウスダストなどもアレルギーの原因となります。年齢や状態によって可能な検査は限られますが、原因を知っていたほうが対策もしやすいかと思います。
最新治療として舌下免疫療法が保険適応になりましたが、原則として12歳以上が対象です。小児の場合症状にあった抗アレルギー剤や点鼻剤などの薬物療法が中心となりますが、花粉を体内に取り込まないようにすることも大切です。
花粉の飛散時期には洗濯物を外で干さない、手洗い、うがい、花粉対応のマスク、室内では空気清浄器なども有効です。

堀口 章子 先生

堀口 章子 先生

堀口歯科・耳鼻いんこう科医院 副院長

金沢医科大学大学院卒業後、同大学耳鼻咽喉科講師を経て2012年より現職。医学博士、日本耳鼻咽喉科学会専門医、気管食道科学会認定医、補聴器判定医。