傷の手当について教えてください。 傷あとが残らないようにするには?

中川先生の回答
感染していない傷はきれいに洗って、湿潤療法を。
感染が疑われる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
傷あとが心配なときは紫外線対策を心がけて

感染していない傷口は
乾燥させない方が早く治る

傷の手当てですが、まずは水道水などの流水できれいに洗って、傷口についたゴミやバイ菌などを取り除いてください。感染(化膿)していない傷であれば、洗うだけで十分で、消毒は特に必要ありません。
最近は、湿潤療法として、創傷被覆材(そうしょうひふくざい、ドレッシング材とも言う)が市販されています。傷口の乾燥を防ぎ、湿った環境を保つことで治るのを早める方法で、感染していない傷に対してはたいへん有効です。
傷口をきれいに洗い、水分を拭き取ってから使用してください。

傷あと残りが心配なときは
紫外線対策を

傷口から嫌な臭いがする、汚い汁が出ているなど、感染している傷に対して湿潤療法はおすすめできません。湿った環境はかえってバイ菌が増殖するのを助長してしまう可能性があるからです。
感染している可能性があれば早めに医療機関を受診してください。消毒などでバイ菌を除去する処置が必要になる場合があります。
傷の深さにもよりますが、2週間程度で治るような浅い傷であれば、ほとんど傷あとは残りません。
深い傷であとが残る心配があるような場合は、なるべく傷を日光(紫外線)に当てないようにすることで、傷あとを目立たないようにすることができます。衣類や帽子などを活用してください

中川 真人 先生

中川 真人 先生

なかがわ皮膚科クリニック院長

金沢大学医学部卒業後、金沢医科大学病院皮膚科、二ツ屋病院皮膚科勤務を経て2010年より現職。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。