子どもの蕁麻疹について、 受診の目安と対処法を教えてください。

斎藤先生の回答
数時間以内に出たり消えたりする蕁麻疹。
特発性と慢性の蕁麻疹がありますが、併せて呼吸器・消化器症状があればすぐに受診を

皮疹の出ている時間が蕁麻疹かどうかの判断目安

蕁麻疹は、皮疹が数時間以内に出たり消えたりして、ひどいときは動く地図のように見えます。逆に24時間以上続く場合は、あせもや湿疹のことが多く蕁麻疹ではありません。
蕁麻疹で全身が真っ赤になったり、息苦しさなどの呼吸器症状や腹痛・嘔吐などの消化器症状があるときは、重症と考え、直ちに皮膚科か救急外来を受診しましょう。かゆみで眠れないようなときも早めに受診してください。
蕁麻疹の3分の2は現在の医学では原因が究明できない特発性蕁麻疹と言われています。食後に出たからといって食べ物が原因とは限りません。自己判断せず、皮膚科医による問診・検査を受けてください。
症状が軽くてもたびたび出るようなら慢性蕁麻疹の可能性が高いでしょう。温度差、発汗、物理刺激などで誘発されることがあります。

治療は内服薬と原因の除去治療薬は医師に相談を

慢性蕁麻疹は内服薬などで症状を出さないようにコントロールすることが完治への近道と言われています。
注意したいのは唇や舌が突然腫れるクインケ浮腫と呼ばれる病態で、稀に喉が腫れて呼吸困難に陥ることがありますので、口唇や口腔内の症状は見逃さないようにしましょう。
治療の基本は、抗ヒスタミン薬の内服治療と原因の除去です。通常外用薬は用いません。
抗ヒスタミン薬には種類がたくさんあり、特徴や副作用もさまざまです。適した治療薬を選択するためにも受診していただきたいと思います。

%e7%9a%ae%e8%86%9a%e7%a7%91%e6%96%8e%e8%97%a4%e5%85%88%e7%94%9f

斎藤 佑希 先生

斎藤皮フ科クリニック

沢大学医学部卒業。金沢大学附属病院、金沢医療センターなどを経て、2014年から現職。
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。医学博士。