「かみ合わせが深いと言われたのですが? 放っておいても大丈夫でしょうか?」

嶋先生の回答
「乳歯列ではほとんどの場合、治療する必要はありませんが、永久歯列では治療が難しくなります。
混合歯列期に検診を受けて、矯正歯科医に相談されることをおすすめします」

乳歯列でも見受けられる過蓋咬合(かがいこうごう)という症状

上の前歯と下の前歯のかみ合わせが深い咬合を、過蓋咬合と言います。乳歯列(5、6歳まで)にも過蓋咬合は見受けられます。
永久歯の前歯が生えてきたときに、上下の前歯のかみ合わせが4㎜以上あり、下の前歯が上の前歯に隠れて見えない場合は過蓋咬合となっています。ひどい場合は、前歯が上の口蓋粘膜を咬み込んだりして、痛みが発生する場合もあります。
乳歯列期で過蓋咬合が見られることは珍しくありませんが、下の歯が上の粘膜を咬み込んで痛みがない場合以外は、ほとんど治療をする必要はありません。
逆に、過蓋咬合は原因が歯だけでなく、上の顎や下の顎が原因で発症している場合もありますから、そんな場合は成長期に早期に治療を開始されると、重傷化を免れる可能性が大きくなります。
混合歯列期(6歳くらいから)から検診を受けて、相談してから治療を開始することをおすすめします。

嶋 浩人 先生

医療法人社団 しま矯正歯科

新潟大学歯学部卒業、金沢医科大矯正歯科学教室を経て、2004年から現職。矯正歯科専門医。