3歳児検診で受け口の指摘を受けました。自然に治癒することはありますか?
自然治癒率は6%早期の初期治療が肝要
3歳児検診時の口腔内は一般的に第2乳臼歯が萌出し、乳歯列が完成する時期にあります。検診の際には虫歯・不正咬合の有無、清掃状態のチェック、生活指導などを行っています。
旧厚生省の「歯科疾患実態調査報告」によると、反対咬合の年間発症数は約45,000人、発症率は女児に高いと言われています。以前はよく「このまま経過観察しましょう」と言われることが多かったのですが、自然に治癒する確率は約6%と極めて低いため、最近では詳しい診査・診断のもと、早期初期治療を行うようになってきました。
乳歯列期における反対咬合の原因は口腔内・口腔周囲の筋機能及び口唇圧・舌圧のバランスの乱れにより生じると考えられています。これらの筋機能を訓練し、乱れたバランスを整え、正常咬合に誘導する装置が「ムーシールド」です。
ムーシールドで効果に期待保険適用外のため相談を
この時期の反対咬合者は、正常咬合者と比べ、オトガイ部の筋力の低下、低位舌が認められます。このムーシールドを口腔内に装着すると、口唇閉鎖時オトガイに過緊張が生じ、オトガイ部の筋肉が鍛えられ、下顎の後退が期待できます。また、唾を飲み込むときに舌は挙上されることにより、低位舌も改善されます。
ムーシールドは就寝時、口腔内に装着して使います(最初は起きている日中に入れて慣れさせていくと、比較的早期に受け入れやすくなるようです)。個人差はあるものの、使用後数カ月で咬合(かみ合わせ)に変化が見られるようになります。治療の対象年齢が低いため、無理強いして治療を嫌がる状況にならないようにしてあげることも大変重要です。
ムーシールドによる治療方法は健康保険の適用外のため、自費による治療になります。詳しい費用などは各医院により異なるため、かかりつけの歯科医院で相談してみてください。もし、お子さんのかみ合わせに不安があるようでしたら、歯科医院での相談をおすすめします。