「おたふく風邪はかかってしまったほうが良い」と聞きました。本当ですか?

2017年8月22日

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井上先生の回答
おたふく風邪には様々な合併症があります。ワクチンは有料ですが、しっかり2回接種してあげて、合併症から守りましょう。

おたふく風邪には要注意!恐ろしい合併症がたくさん

答えは「No」です。おたふく風邪は小児感染症の中では馴染みのある病気の1つですが、「かかっても軽い病気」と思われがちです。両方のほっぺ(正確には耳下腺)がはれて、5日ほど園や学校を休めばそれで終わり、という感覚があるかもしれません。しかし、おたふく風邪には様々な合併症があります。無菌性髄膜炎(激しい頭痛と嘔吐)や難聴、膵炎、男性では精巣炎、女性では卵巣炎や乳腺炎を合併することもあります。精巣炎になると痛みが激しく入院になることもあります。また、不妊になることはまれですが、精巣がんの危険性が高まると言われています。

難聴になる恐れあり。ワクチン接種で予防を

おたふく風邪の合併症で一番厄介なのは「難聴」です。かつては15000~20000人に1人の頻度と言われていましたが、最近では1000人に1人、また2013年の耳鼻科医からの報告では1000人に2~5人と発表されました。これは恐ろしい数字だと思います。おたふく風邪による難聴は治癒しないことが多く、両耳の難聴になると、人工内耳の装着や手話などの特殊なトレーニングが必要となり、本人だけでなく家族の負担も重大なものとなります。
現在、おたふくワクチンは有料ですが、しっかり2回接種してあげて、恐ろしい合併症からお子様たちを守っていただきたいと思います。

金沢赤十字病院 井上先生

井上 雅之 先生

金沢赤十字病院

金沢大学医学部卒業。石川県立中央病院、公立能登総合病院、金沢大学附属病院を経て現在、金沢赤十字病院小児科部長。日本小児科学会専門医。