昨年流行した新型インフルエンザ、今シーズンはどう備えたらいいですか?
高村先生の回答
こまめなうがいと手洗いで予防に努め、発熱時は慌てずにじっくりお子さんの観察を。予防接種には新型のワクチンも含まれています
昨シーズンは症状に個人差
自然治癒したケースも多く
今年のインフルエンザについて考える時期になってきました。昨年は新型インフルエンザ(H1N1)の世界的大流行で、日本でもたくさんの方が感染しました。実際に外来で感じたことは、重症のお子さんは従来の季節性インフルエンザよりも確かに多く、受診時にはすでに呼吸状態が悪かったり、重篤感が強かったりしました。しかし、その反面、軽症で走り回っている子もたくさんいました。感染による症状には個人差があるようですね。
また余談になりますが、インフルエンザ迅速検査キットの反応が従来の季節性インフルエンザよりもさらに悪かったことから、新型インフルエンザと診断されないまま自然に治癒した人たちも大勢いたことが予想されます。
冬を迎えた南半球の国々では、昨年新型インフルエンザと称されたH1N1が流行していますので、今年の日本も同じ型が流行するとみられます。
予防接種に新ワクチンも
疑い時は慌てずに観察を
予防する手段はこまめなうがい、手洗いということになりますが、10月下旬から例年通り、インフルエンザワクチンの接種も始まります。今年のワクチンは昨年までのいわゆる新型(H1N1)と季節性A型、季節性B型の3種類が入る予定になっています。
診療時間外の夜中などにお子さんが発熱し、「インフルエンザにかかったかもしれない」と思われたときには、お子さんがどの程度しんどそうか、慌てず冷静に観察してください。「水分も取れない」「息が辛そう」「何だかわからないけどぐったり」…という場合はすぐに受診を、比較的元気にしているようならば翌日まで待ってかかりつけの小児科で診てもらいましょう。
(※平成22年9月末時点での内容です)