子どもが虫歯にならないか心配です。効果的な予防方法はありますか?

和泉先生の回答
おやつの時間をきちんと決める、歯磨きの習慣を付ける、歯を強くするなど生活環境を整えるようにしましょう

虫歯菌を発生させない健康な歯を作ろう

虫歯菌が赤ちゃんの口に侵入すると、食品に含まれた砂糖を酸に変え、その酸が歯の表面を溶かして虫歯が発生します。虫歯を防ぐ方法には、砂糖を取らない、虫歯菌を減少させる、歯を強くするなどの方法があります。甘味を覚えた子どもたちに糖分を制限することは大変です。砂糖の代用としてキシリトールがあり、これらを使用すると虫歯の減少は可能ですが、すべてをキシリトールに代えることはできません。歯磨きによる歯垢除去を行うことで虫歯菌を減少させ酸の発生を減らせますが、溝や歯と歯が着いているところは防ぐことができません。また、歯質の強化はフッ素の利用が代表的です。歯のエナメル質にフッ素が入ると結晶が安定し、酸に溶けにくくなります。しかし、どの方法にも一長一短があります。キシリトールやフッ素で虫歯を減少させても、なくすことはありません。歯を磨かないと虫歯は発生します。虫歯菌は砂糖を取って数分で虫歯を作る唾液に変化します。虫歯を作らない唾液に回復するためには時間がかかるので、長時間にわたって甘いものを取り続けることは虫歯を作り続けていることになります。

生活環境を整え虫歯予防を

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糖分で洗口した場合の唾液のpH。
虫歯を作らない唾液に回復するには時間がかかります。

虫歯を防ぐには、定期的に時間を決めておやつを与える、磨き残しをしない習慣を身に付ける、歯磨剤のフッ素(今の歯磨き剤には90%近くフッ素が含まれています)や歯科医によるフッ素塗布、洗口による歯質強化を行うなどの生活環境を整えることが重要です。虫歯をゼロにする方法はありませんので、虫歯になったと思ったら、すぐに受診して早く対処するようにしましょう。

(協力:石川県歯科医師会)