2人目を妊娠中です。初産で帝王切開の場合、 次に自然分娩を選ぶリスクを教えてください。

2018年2月23日

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村上先生の回答
前回の帝王切開の理由、子宮と胎児に異常がないこと、妊娠経過が良好、家族の同意、全ての条件が整えばTOLACも選択肢のひとつです。

妊娠経過をよく観察し、条件が整えば可能

帝王切開の後に経膣分娩(自然分娩)を試みることをTOLAC、経膣分娩が成功したことをVBACと言います。無条件に誰でもできるわけではなく、前回の帝王切開の理由によります。母体の骨盤よりも胎児の頭が大きい児頭骨盤不均衡や、前置胎盤で帝王切開をうけた場合や、過去に子宮筋腫などの手術を受けている場合はおすすめできません。
さらにTOLACの場合、逆子でないこと、児頭の骨盤内への下降が良好なこと、帝王切開の縫合部分の子宮壁が妊娠末期には厚さ1.5~2㎜以上あること、妊娠経過が順調であることが必要条件です。そのうえで、何かあった時にはすぐに帝王切開をいつでも行える準備をし、経膣分娩を試みます。TOLACで一番リスクが多いのは子宮破裂です。母体や胎児に危険が及びますので本人とご家族の同意が必要です。

リスクが少なければ、経膣分娩も選択肢のひとつ

TOLACは常に妊婦の管理と緊急の対応が必要なので、現在はまだ受け入れる病院は多くはありません。しかし、妊娠中は血栓ができやすいため、血栓症のリスクが高まり、帝王切開も必ずしも安全とは言えません。母体を管理しながら、常に正しい選択をし、妊娠経過が順調ならば、TOLACは危険なものではありませんので、妊婦さんの状態に応じて安全に出産できる方法を一緒に選んでいくのが望ましいことです。

医療法人恵愛会 恵愛病院 村上先生

村上 弘一 先生

医療法人恵愛会 恵愛病院

金沢大学医学部医学科卒業後、金沢大学医学部産婦人科医局長を経てフランスに留学。平成26年に医療法人社団恵愛会 理事長就任。日本産婦人科学会認定医、日本生殖医学会指導医。