手足口病とはどのような病気でしょうか?

武田先生の回答
手足口に赤い発疹や水疱ができる感染症。子どものときに誰でも一度は感染しますが、自然に治ります。
夏は手洗いを徹底し、予防しましょう。

幼少時に一度はかかる感染症 症状も軽く、自然に治る

 手足口病は、ウイルスによる感染症で、7~9月に流行する夏風邪のひとつです。このウイルスにはいくつかの種類があるため、1年で何度も感染することがあります。水疱、唾液、便から感染します。感染力が強く、毎年大流行します。感染するのは5歳未満の子どもが9割を占めていますが、大人も感染することがあります。
主な症状は、口の中、手のひら、足の裏、足の甲にでる5~7mm程度の赤い発疹や水疱です。水疱があらわれるのとほぼ同時に発熱します。高熱が出ることもありますが、1~2日で下がります。ただ、高熱、けいれんや頭痛、嘔吐が数日続く場合は、まれに脳炎や髄膜炎を引き起こして重症化することがあるので注意しましょう。
 症状があれば、慌てず日中に小児科を受診し、熱が下がるまで休ませましょう。特別な治療法はありませんが、軽い症状の病気のため数日以内で自然に回復します。

感染後は脱水症状に注意 流行時は手洗いの徹底を

感染後、口の中の水疱が痛いときは、刺激の少ない柔らかめで薄味の食事をとらせましょう。痛みが強い時や、熱が高い時は、経口補水液を少しずつ取らせて、脱水症状に注意してください。おしっこが出ない状態が続くときは再度受診しましょう。また、感染から約1ヵ月後に爪がはがれることがありますが、時間がたてば生えてくるので安心してください。
熱がなければ園などを欠席する必要はありません。ただし、回復後も1ヶ月程度はウイルスが排出されるので、流行時は外出後や食事前の手洗いを徹底しましょう。

医療法人社団 北斗松田小児科医院 武田先生

武田 万里子 先生

医療法人社団 北斗松田小児医院

金沢医科大学卒業。湘南鎌倉総合病院にて初期研修後、金沢医科大学病院小児科、恵寿総合病院、スマイルこどもクリニック松本院を経て2009年より現職。二児の母。