3歳の子どもが、風邪で熱が出たときに頭が痛いと言いました。髄膜炎が心配です

半井先生の回答
髄膜炎の予防には、ワクチン接種が効果的です。
月齢の低いうちから早めに接種を始めましょう

早めに髄膜炎予防のワクチン接種を

髄膜炎にかかるのは1〜2歳頃までが多く、症状を教えてもらえないため、診断に苦慮することがあります。また成長するにつれて、髄膜炎の発症頻度や重症度は減っていくと言われています。髄膜炎予防のヒブワクチンや肺炎球菌ワクチンはご存知ですね。これらのワクチンの接種は、三種混合の予防接種を始める前 (生後2カ月) か、同じ時期 (3カ月) から始めましょう。ママの中にはワクチンそのものや同時接種に不安を感じている方が少なくないようです。しかし髄膜炎は命を落としたり後遺症が残ったりする怖い病気です。もちろん絶対安全とは言い切れませんが、助成制度もあるので、ワクチンの接種をおすすめします。

子どもの頭痛の多くは風邪に伴う発熱が原因

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脳動静脈奇形による脳内出血のCT画像の例。出血が白く抽出されている。

頭痛は大きく一次性と二次性に分けられ、一次性とは頭痛自体が主となっているもので、片頭痛 (ズキンズキンとした痛み)や緊張型頭痛 (締め付けられるような痛み) が知られています。年長児になると心因性の頭痛もみられ、不登校の原因になっていることもあります。二次性とは、別の病気の症状としてみられる頭痛です。子どもでは風邪に伴う発熱による頭痛が最も多く、それ以外では、先に述べた髄膜炎や副鼻腔炎などの感染症、脳腫瘍、脳の血管異常などが原因となって起こることがあります。CTやMRIを撮ってみないと分からないこともありますが、発熱や嘔吐が続いたり、麻痺や視力・視野異常、意識障害などの症状がある場合は、早めに小児科を受診しましょう。

半井 孝幸 先生

半井 孝幸 先生

なからい小児科クリニック 院長

信州大学卒業後、金沢大学医学部大学院を卒業。1991年より米国に3年間留学。2003年より現職。医学博士、日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会認定専門医。