子どもの上の前歯が出ているのですが いつ歯科に見せにいけばいいですか?

嶋先生の回答
「症状があれば、6歳前後に矯正歯科医に相談し、定期的なモニタリングを受けましょう。」

早期(混合歯列期)治療が効を奏することが多い

上顎前突の状態。


 前歯が出ているのは「上顎前突(じょうがくぜんとつ)」といわれ、一番頻度の高い不正咬合(前歯がでこぼこするなどの良くない噛み合わせ)です。上下の前歯や第一大臼歯(親知らずから3番目)の前後的な位置関係から判断し、①上唇が突出、②口が閉じにくい、③口を閉じていても前歯が見える、④下あごが後退している、⑤下あごの筋肉に緊張が見られる、などの症状が参考になります。原因は遺伝要因や環境要因など様々ですが、年齢とともに重度に発展する場合も少なくありません。したがって早期(混合歯列期)の治療が効を奏することが多いため、上記の症状が見られれば6歳前後で矯正歯科医による検診が必要です。

あごの成長を利用した早期治療で改善

 治療はセファロレントゲン(頭のレントゲン)による診断に基づいて行われます。早期に治療を行い、あごの成長を利用することで、上顎前突が改善されます。永久歯列期(12歳前後)になると、治療のために永久歯抜歯に至ったり、重度の場合は、手術を併用した外科的矯正治療に至ることもあります。

嶋 浩人 先生

医療法人社団 しま矯正歯科

新潟大学歯学部卒業、金沢医科大矯正歯科学教室を経て、2004年から現職。日本矯正歯科学会認定医。