子どもが『出っ歯』かもしれません。小さいうちに矯正したほうがいいですか

嶋先生の回答
子どもは下あごが未発達なために『出っ歯』 に見えることも。
矯正治療であごの位置を整えればいびき予防にも。

前歯が出ているのではなく
下あごが下がっているのかも

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下あごを前方に成長誘導する(上図1から2)ことで、かみ合わせが改善され、気道も広がる。

前歯が出てるように見えても、実は上下のあごの位置関係がずれていることが多いのです。下あごが未発達で後退しているために、いわゆる「出っ歯」 に見えます。その場合は、下あごの成長を前方に誘導する矯正治療が必要になります。また、下あごが後退していると、気道がせまく、いびきの一因となることもあります。永久歯が生え揃ってから、後退した下あごに合わせて上の前歯だけを矯正しても、対処療法でしかなく、根本的な改善にはなりません。

まずは矯正装置で
下あごの成長を誘導

子どもの矯正治療は二段階に分けて行います。まず、不正なオーラルポスチャー (歯並びとあごの成長に必要な口内環境、前号参照) を機能的顎矯正装置 (上あご、下あごの成長をコントロールするための装置)で整えて、上下のあごの位置関係を改善します。そうすることで気道が広がり、いびき(睡眠時無呼吸症候群)の予防・解消につながります。

オーラルポスチャーを整えることであごの位置は改善しますが、永久歯になって歯列に乱れが出てきた場合は、マルチブラケット装置(ワイヤーを使った装置)で治療をする必要があります。

嶋 浩人 先生

嶋 浩人 先生

しま矯正歯科 院長

新潟大学歯学部卒業、金沢医科大矯正歯科学教室を経て、2004年から現職。矯正歯科専門医。