「子どもが便秘で、便秘薬を処方されています。飲み続けても大丈夫でしょうか?」
斉藤先生の回答
便秘薬は常用しても心配ありませんが、水分摂取や食事内容、排便習慣に気をつけて便秘にならないようにしてあげましょう。
処方薬は常用しても大丈夫
まずは食事から改善を
便秘の薬はほとんどが大便と一緒に排泄されますので、飲み続けて良いかと思います。ただ、腸管に狭くなっているところがあったり、頑固な便秘だったりする場合は、他の方法で便を出す必要があります。
さて小児の便秘ですが、食事に原因がある場合と排便習慣が原因の場合があります。食事の内容に水分や繊維質が含まれる食物かすが少ないと、便が少なくなったり硬くなったりします。野菜や海草類を摂取すると、食物かすの保水作用で便が軟らかくなる効果も期待できます。また、腸内で発酵しやすいヨーグルト、乳酸菌飲料などを摂ることも有効です。
排便訓練が原因のことも
便意は我慢させないように
子どもも大人と同じで、便意を感じても我慢してしまう習慣が続くと便秘になります。何日も排便しないと腸の中で便から水分が吸収されて、便が硬くなり、排便時に痛みが出たり、肛門が傷ついて出血したりしてしまいます。すると排便しなくなり、さらに便が溜まって直腸も拡張、便意も低下して、ますますトイレに行かなくなってしまう悪循環に陥ります。この場合は薬を服用し、正常な状態に戻してあげることが必要です。
排便訓練のための過度なしつけが原因の場合もあります。排尿排便訓練は、2歳前後に始めることが多いようですが、個人差もあり、お子さんの様子を見ながら、焦らずにゆったりと行うことです。
まれに直腸、肛門や脊髄に生まれつきある異常が原因のことがあり、その場合は外科的な治療が必要です。
斉藤 建二 先生
斉藤小児科医院 院長
金沢大学医学部、金沢大学医学部大学院卒業、公立松任石川中央病院小児科医長を経て、1974年から現職。白山ののいち医師会長。