パパが感染症予防に協力してくれません

  8ヶ月の女の子です。冬の時期、インフルエンザなどの感染症がこわくて、自分は、帰宅後、うがい・手洗いを徹底したり、人混みへ行くことは避けています。ですが、パパがまったく無防備で、帰宅後すぐに娘を抱っこしたり、勤め先で病気の人が発生してもマスクなどしてくれません。どうしたら、パパも感染症予防を意識してくれますか?

自分では何もできない存在の子どもの命を守るのは、私たち両親の役目であるとの認識を持ち合いましょう。

感染症から守るのは親の大事な役目

 産まれてから始めて冬を迎え、お子様を感染症から守ることも親としての役目です。冬はさまざまな感染症が流行する季節で、幼稚園や保育園が学級閉鎖になることもあります。赤ちゃんは病気になりやすく、感染しやすく、免疫力がないので、大人にはなんともない菌に感染したりします。赤ちゃんはお腹の中にいる間は胎盤から、誕生後は母乳から免疫をもらっています。そのため生後6ヵ月ぐらいまでは病気にかかりにくいのですが、それ以降は免疫の効力が薄れてくるため、感染症にかかりやすくなります。この月齢期は病気の進行が早く合併症を起こしやすい時期でもあります(例えば風邪をひいただけでも、中耳炎や肺炎を併発することがあります。乳児は重症化し死に至ることも)。
 冬の感染症を予防するには、感染源を家庭に入れないこと、家庭内で広めないことが大切です。ご相談のママの対応は素晴らしい!外から病原菌をもらってこない、風邪やインフルエンザのウイルスを持ち込まないことが一番の予防法。病原菌をもらわないために、流行シーズンには「なるべく人混みに出かけない」ことも大切です。

娘さんへの感謝の思いを夫婦で再認識してみましょう

 パパのお仕事の場所・通勤などが感染ルートとなり、インフルエンザウイルスがご家庭に持ち込まれる危険性は常にあります。そのため、大切な事は「手洗い・うがいを徹底すること」です。帰ってきたら、すぐにうがい・手洗いを習慣に。細菌やウイルスの繁殖を抑える効果があります。手洗い&うがいは基礎中の基礎。帰宅したら必ず実践してもらいましょう。
 そして、「どうしたら、パパの意識を変えられるでしょうか?」という質問ですがぜひ、ゆっくりとできる時間帯に、「産まれてきてくれてありがとう。私たちを親に選んでくれてありがとう!」という思いを夫婦で共有してみてください。その後、パパには手洗い&うがいを守らないとお嬢さんに近づかせない!と約束ですね。
 子どもは、成長と共に免疫力もついてきます。これから日に日に意思がはっきりして行動範囲も広がってママも大変なことが増えていき、心配ごとも増えるかもしれませんが、あまり考えすぎず、たまには一息ついて、1歳のお祝いなどについて考えたりすると、どんどん楽しくなってくるかもしれません。ママになった幸せをかみしめてくださいね。

今回の回答者

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酢谷 温子さん

金城大学短期大学部非常勤講師。金沢福祉専門学校特別講師。過去の本誌連載をまとめた「たずこ先生の子育てレター」も好評発売中。