子ども夢フォーラム 代表 高木 眞理子さん
子どもから見えてくる必要な子育て支援
県の委託を受けて企業や団体、保育園などで開催している〈パパ子育て講座〉の様子(年間10回程度)。「子育てを考えるいい機会になった」との声が寄せられています。
“人”と関われない
子どもたちに危機感
「子どもたちに夢のある未来を!」と高木さんが〈子ども夢フォーラム〉を立ち上げて17年になります。「当初、母親や先生、友達との関わり方に悩む相談が多かったんですが、近頃は自分自身が確立されていないところからの悩みが増えていますね」。〈チャイルドライン・いしかわ〉に電話をかけてくる子どもたちの悩みの傾向です。
さらに自分の気持ちを表現する言葉を持ち合わせていない子も増えていると感じています。「子どもが悩んでいるときの思考って、螺旋を描くようにクルクル回りながら落ちていくんです。それを引き上げるきっかけは“人”なんですが、今、“人”と関われない子が増えているからより深刻なんです」。
子どもの声でわかった
パパママ支援の必要性
大人たちの心も弱っていると高木さん。「自己肯定感が低いまま親になると子どもの自己肯定感も低くなります。親にかわいがられた実感が乏しいから子どもをかわいがれない。自分が“子どもらしく”子ども時代を過ごしていないから、子どものことがわからない。そんな大人も多いんです。だから〈パパママ・ホッとライン〉を始めました」。子育ての悩みを聞いていくうちに、パパやママ自身の親子関係に話が及ぶことも少なくないそう。
また、チャイルドラインにかけてくる子どもたちとの会話にパパが出てこないことに気付いてからは、パパに子どもとの関わり方について考えてもらう〈パパ子育て講座〉も開いています。
問題の背景に心を寄せて
子どもらしい子が育つ環境を
〈子ども夢フォーラム〉の活動の根っこは全て、「子どもたちの声」です。
「問題行動などのサインを出さないからといって悩みや不安がないわけではありません。子どもたちは日々、小さな葛藤を繰り返しています。その子たちにどう目をかけていくか。様々な気持ちに至る背景に心を寄せるようにしています」。
親だけで育てようとするのではなく、家族、学校、地域のみんなに子どもを育ててもらったらいいと高木さん。いろんな人と関わることで子どもの価値観が広がり、しなりながら揺れながら生きていく心が育つ。さらには親も楽になると。
「いつの時代も翻弄されるのは子ども。だから私たちはブレずに代弁していかなきゃいけないと思っています。子どもたちが“子ども”として育つことができる環境をとりもどすために」。
高木さんが話す一つ一つの言葉には、子どもたちの未来への熱い思いが込められています。
子ども夢フォーラムのキャラクター「ホワッティ」
子ども夢フォーラム(NPO)
〈チャイルドライン・いしかわ〉18歳以下対象
月曜~土曜 16:00~21:00 TEL 0120-99-7777
〈パパママ・ホッとライン〉
火曜~金曜 10:00~15:00 TEL 076-214-5666
子ども夢フォーラム
代表
子どものコミュニティプランナー。「チャイルドライン・いしかわ」スーパーバイザー、「子どもの権利擁護支援室」室長。石川県子ども政策審議委員。2015年度「チャイルドライン・いしかわ」にはのべ6,763件、「パパママホッとライン」にはのべ101件の相談が寄せられた。
http://www.yumeforum.org