私の子育て支援 vol.10(p24)

2016年10月25日

世界を変えるカギは自分の中に


育児サークルpoco a pocoの主催で開催されたWen-Do講座の様子(金沢市海みらい図書館にて)。プログラムは女性ならではの視点で考案されている。

子どもへの虐待防止活動から
女性のための護身術の道へ

 1996年に男女の双子を出産した福多さんは、「わが子がかわいいと思えない」ことに不安を感じ、多胎児ママのサークルに参加します。そこで、自分と同じように感じているママがいることを知りました。
 「当時は子どもたちにイライラして、怒鳴ったり、叩いたりしていました。一方で、母親は子どもを愛するべきだとも思っていましたから、自分は『ダメな人間だ』とモヤモヤしていました。そこから、虐待の原因や生き辛さ、なぜ自分を『ダメ』だと思うのかを考えるようになり、子どもの虐待防止に関心を持ち始めました」。
 子どもへの暴力防止活動に参加したり、ママのための学習会などを企画・運営するグループを友人たちと立ち上げ、活動する中で出会ったのが、女性のための護身術「Wen‐Do(うぇんどう)」でした。

『ダメ』な部分が一転
自分の『強み』に

 福多さんは、2002年に東京で開催された講師養成講座に参加し、講師の資格を取得しました。
 「それまで私は、自分の大声や負けん気、攻撃的な心は、母親としてはふさわしくない要素だと思っていました。ですが、講座でトレーナーが私の大声を褒めてくれたんです。私が一番ダメだと思っていた部分を認めてもらえたことで、自分を生かす視点が意外なところにあると気付きました。
 Wen‐Doが私の世界を広げ変化をもたらしてくれたのです」。

Wen‐Doの指導スタイルに
子どもへの声かけのヒントが

 実技は、女性の心理や状況を踏まえて考案されているので、女性でもできるちょっとした言動が防御につながることを学べて、日常の振る舞いやコミュニケーションにも役立つのが特徴です。
 また、講習も講師が一方的に指導するのではなく「参加者のアイデアを認めて生かし、ともに考え、対等に提案し、一緒にやってみて、最後に感じたことを言葉にして伝える」流れになっています。こうした指導スタイルから日常生活での子どもとの接し方のヒントを福多さん自身も大いに学び、取り入れてきたそうです。
 「講座でお伝えできる動作の数には限界がつきもの。お母さんたちの中に残る『なるほど』の実感そのものが、何かの役に立てばと思っています」。
 福多さんは現在、月に1度金沢市内で、Wen‐Doをはじめ、コミュニケーションやセルフケアを学ぶ、女性のためのセミナーを開催しています。
 女性が護身のためにも、また、社会的にも『自分の声』をしっかり出していくための一助になれたらと活動を続けている福多さんです。

津女性のためのセルフディフェンス
Wen‐Do Japan

女性が、心・からだ・お互いの力とつながりながら女性に対する暴力からのセルフケアを学ぶカナダ発祥の護身プログラム。小学5年以上女性対象。育児支援のサークルや学校の保護者会活動で取り入れられることも多い。親子講座も可能。
http://www.wendo-japan.com/

福多 唯

Wen‐Do Japan マスターインストラクター

福多 唯さん

双子の子育てをきっかけに、多胎児サークル「風っ子KIDS」やCAP(Child Assault Prevention:子どもへの虐待防止活動)、自分をみつけるママの会「スニーゲルマム」などの活動を経て、Wen-Doの講師に。現在は、日本で唯一のマスターインストラクター。また、2016年2月から金沢市戸水で月に1度「私を護れる私になろう」をテーマに、セミナー「Salon ゆらっくfor women」を開催。