私の子育て支援 vol.10(p25)

2016年10月25日

自己犠牲ではない「助ける人が、一番しあわせ」


毎年中学3年生がリーダーを務め、今年で5代目となる「朝がゆの会」。子どもたちが薪割りをしておかゆを作り、高齢者にも振るまいます。たまにサプライズなメニューになることも。

教育現場ではままならない現状
目の前の助けが必要な子どものため

 週2回、朝6時半になると元スーパーを改装した建物で、子どもたちが薪を割って朝がゆを作る「朝がゆの会」が始まります。ここにはお腹を空かせている子や、様々な家庭の事情がある子が集まり、手伝いを通してコミュニケーションをとっています。
 福田さんは30年の教員生活の後、3年間スクールソーシャルワーカーを務めました。長い教員生活の中で不登校や引きこもり、問題を起こす子どもたちを目の当たりにして、学校教育ではどうにもならない現状をなんとかしたい一心でNPO法人「阿羅漢(あらはん)」を設立。子どもからお年寄りまでが集い、お互いに助け合っていけるネットワークを形成してきました。

手伝うことで
人とつながっていく

「阿羅漢」の支援は子どもから若者、高齢者まで多岐にわたります。交流イベントを開き、手伝いという仕掛けを作ることで、地域とのコミュニケーションをとりながら皆がつながっていきます。
 畑仕事をしたりお年寄と一緒に味噌を作ったりと、ものづくりを通じて教える大人の知恵は子どもに本物を見る目を教えてくれます。大切なのは、自分の中の「ものさし」を持つこと。生きていく上で自分にとって何が大事なのか、本物を見る目を持つことだと福田さんは言います。
 「学校や家庭では居場所のない子どもたちも、ここにくれば活躍の場があります。ボランティアにも精力的に参加することで、普段は怒られることが多くても、感謝され褒められることによって子どもたちも変化し、色々なことに気づいていくのです。本当のボランティアとは、自分の頭で考えて本当に助けてほしい人のために奉仕すること。それに気づいて欲しい」。そして「助ける人が、一番しあわせ」であることが福田さんの理念です。

真の子育て支援とは
子育てをできる親にしてあげること

現在では様々な子育て支援がありますが、方向性を間違えると支援のつもりが逆効果になると福田さんは考えます。「本当の子育て支援とは、手を貸して親を楽にしてあげることではなく、知恵を貸して子育てをできる親にしてあげること。自分の子どもが親になった時に、その子もまたきちんと子育てができる人間になれるような育て方をすることが大切です」。長年、教育現場で様々な子どもたちに接し、「阿羅漢」であらゆる現状を見てきた福田さん。その一言一言はとても重く、子どもたちはもちろん、すべての人たちに対して深い愛情に満ちています。

山代ファミリーサポートセンター
NPO法人 阿羅漢(あらはん)

スーパーフリースクール、学童保育事業、夜間対応家庭支援事業、若者就労支援事業、ボランティア地域交流事業、高齢者支援事業。「朝がゆの会」を始め、様々な交流活動を実施。2011年「子育て支援事業」未来賞受賞を始め、様々な取り組みで全国で数ある賞を受賞。
お問い合わせ 0761-76-1085

福田 清志

山代ファミリーサポートセンター NPO法人 阿羅漢
代表

福田 清志さん

田鶴浜出身。加賀市体育協会役員。金沢大学卒業後、学校教員・加賀市のソーシャルワーカーを3年務めながら、8年前に「NPO法人 阿羅漢」を設立。子どもから若者、親、高齢者まであらゆる世代の支援に取り組む。
http://www.geocities.jp/arahan1236/