私の子育て支援 vol.6(p34)

2016年2月25日

本当に支援が必要な人たちに支援の手を


自立し、サポートハウスを巣立っていった人たちと、山本さんをはじめスタッフたち。イラストは洋画家の国友博さんの作。

きっかけは、母子家庭の
近所の子ども

 古い民家の一つ屋根の下、障害や不登校など何らかの生きづらさを持つ人たちが、自立を目指して共同生活をしています。 代表の山本さんは、13年前同じマンションに住む母子家庭の姉弟が鍵がなくて部屋に入れず、ドアの前で座り込んでいるのをみかね、「おばちゃんちでご飯食べる?」と自宅に招きました。それから家庭に事情があり行き場のなかった子どもや、様々な事情を抱えた親も自宅に呼んでは相談にのり、一緒に過ごしました。そんな生活が3年ほど続いたとき、「支援が必要な人たちがこんなにいる。ちゃんとしたサポート体制を整えないといけない」と思い、知人から一軒家を借りて、2002年に「日常生活支援サポートハウス」を立ち上げました。

困ったことは
たいてい時間外に起きるもの

 日常生活をサポートしている山本さんには365日、休みがありません。「今まで辛いと思った事はありません。本当に困った事というのは、たいてい時間外に起こるもの。行政ではとうてい支援しきれない部分を私たちは担っているのです」。
 子どもだけではなく、様々な理由で苦しんでいる親も助けてあげることが必要だといいます。「今は子育て支援から家庭支援への時代。親が心身ともに健康でなければ、子どもだって幸せなはずはありません」。そんな山本さんを頼って、県外からも多く相談に来るそうです。
 「サポートハウスの目的は必ず自立をしてここから出て行くこと。そのために、家事などの役割分担をして、日常生活を送る訓練をします。長年住んでいた子たちも次々に自立して働き、今では休みに帰ってきたりします。うれしいですね」。支えが必要な子どもたちにとって、人とのつながりはもちろん、ここでの共同生活で得られることはとても多いと言います。「ここに来る子はみんな自分の子ども。どんな子たちも、結局はいい子なんです」。笑顔でそう言い切る山本さんの深い愛情が、行き場のなかった子どもたちを更生させるのでしょう。

親子で育む
子育て農業応援団

 山本さんは、農育、食育に実践的に取り組みながら一年を通じて親子で農業に参加する「子育て農業応援団」に取り組んでいます。行政や企業、民間団体、障がい者など垣根を越えた仲間と畑を通じて社会的コミュニティを築いていく。そんな様々な活動を通じて少しでも多くの人が障がいのある方への理解を深めてくれることが、山本さんの願いです。

日常生活支援・サポートハウス

金沢の古い民家を開放し、子どもや何らかの生きづらさを持つ人たちの社会生活自立に向けて日常生活を支援。他にも一時預かり、お泊まり預かり、長期お泊まり預かり、社会交流活動、子育て相談、障がいに関する相談、子育て中や障がいのある子の親の交流の場を提供。
●問い合わせ●076-224-7010

山本 実千代さん

日常生活支援・サポートハウス代表
子育て農業応援団代表

藪下 佳代さん

石川県男女共同参画ネットワーク委員、いしかわ子育て支援財団の子育てマエストラ、石川県DV見守りネットワーク推進委員、石川県オレンジリボンキャンペーン実行委員、石川県食育子育てアドバイザーなど活動の幅を広げている。