私の子育て支援 vol.4(p27)

2015年10月25日

Pocket

「頼っていいよ」と伝えたい


金沢駅こどもらんどで、手遊び歌を教える下川さん。

音とリズム遊びを通して
親子が笑顔になれる時間を

 長年幼稚園教諭をしていた下川さんですが、次女を出産後に体調を崩し、園を退職しました。
 「長女の出産から15年後、40歳で次女を出産したのですが、年齢のブランクは大きく、身体がついていかなくなりました」。
 15年ブランクがあった間に、子育て環境は急激に変化していて、たくさんの情報の中で子育てすることの「しんどさ」と「頼る人がいない孤独感」を経験した下川さんは、「親子の愛着関係に少しでも力になれたら」と、賛同してくれる仲間と「てけてけプー」を立ち上げました。「てけてけプー」では、生の音とリズム遊びを通して、親子が心と体を解放し、笑顔になれるほっとした時間を一緒に体験できるよう活動しています。

わが子のSOSが教えてくれた
赤ちゃん期の大切さ

 そんな下川さんも子育てに悩んだ時期がありました。「体調が悪く、家族に助けを求めている私の姿を見ていた当時1歳5カ月の次女から、笑顔が消えてしまいました。次女にとって、だんだん『甘えたい母』が『甘えられない母』になっていったようです」。
 次女はそれから、自分で遊びを見つけ、一人で遊ぶようになっていったそう。ご主人が仕事に行っている間のとても長い時間を、下川さんと次女は「それぞれの思いを抱えながら耐えていた」と振り返ります。
 「その後、回復に向かう私の体調と反対に次女は、甘えたい時期に甘えられなかったSOSを出してくれました。それは、私に母としてやり直す最後のチャンスをくれたのだと思っています。そこからもう一度、子育てをしなおしました」。
 赤ちゃん時代が、心の成長にとっていかに大切かを、次女に教えてもらって今の自分があると下川さんは話します。

転勤族ママにとっての
「金沢のお母さん」に

 金沢駅こどもらんどは立地から転勤族の親子も多く訪れます。土地勘も地域のつながりもなく、不安な中で子育てを頑張っているママをみると、東京に嫁いだ長女を見ているようだと下川さん。「『金沢のお母さん』になりたいという思いで接しています。最近の子育て環境は、充実しているように見えますが、一方で情報が溢れていて不安になることもありますよね。そんなときは、まず、自分らしくお子さんと向き合ってみてください。そして、一人で抱え込まないで、そばにいる人を頼ってください。いつでもお話しましょ!待っています」。

てけてけプー

イベント「音とリズムで遊ぼう」を第2・第4木曜日10時30分~11時30分は城北児童会館、第3木曜日10時30分~11時30分と13時30分~14時はいしかわ子ども交流センター、第4火曜日は津幡町児童センターで開催。

川下 紀美子さん

音とリズム遊び「てけてけプー」 代表

下川 紀美子さん

音楽療法を学んだことをきっかけに、10年前に、音とリズム遊びのグループ「てけてけプー」を立ち上げる。金沢市立城北児童会館やいしかわ子ども交流センターなどでの定期的な活動がきっかけとなって、金沢市からJR金沢駅に隣接する「金沢駅こどもらんど」の運営を委託される。今後は先輩ママが子育て家庭を訪問する家庭訪問型支援「ホームスタート」を金沢市でも実現したいと精力的に取り組む。娘2人。