私の子育て支援 vol.2(p31)

2015年6月25日

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シングルマザーが笑顔になれる居場所づくり


相談は1回2時間程度。相談者の話にじっくり耳を傾けます。

就職支援だけでなく
精神的な支えに

 金沢市の石川県女性センター5階にある石川県母子寡婦福祉連合会は、離婚に関する相談や離婚した女性の支援を行う組織です。中村宏兵さんはここで就職支援を担当しています。
 「相談者は、精神的に不安定になっている方が多いですね。自分の欠点ばかりを見て、落ち込む。就職支援の前にまずは、精神的なサポートをすることに全力を尽くします。」。中村さんは相談者から連絡があれば、能登でも加賀でも飛んで行きます。
 「女性が一人で子育てをしながら正社員で仕事をするのがますます難しくなっています。事務職を希望されても、求人は希望者の半分しかありません。そんな中で、相談者とよく話し合い、その方の性格を分析しながら一緒に適職を探し、長く続けていくための対応も考えます。
 失敗したと思っている人は、もう失敗したくないと言う。そんな方には、『失敗するということは一歩前へ出ているということ。次につながる良い経験をしたと思えばいい。そういう考え方ができる人であってくれたら私はうれしい』と励ましています。
 『プラス思考で長所を膨らませると短所は見えにくくなりますから』と。」

行政への窓口の一本化と
居場所づくりを

 中村さんがカウンセリングに興味を持ったきっかけは、大手住宅メーカーの営業所長時代に、部下の一人がうつ病を患ってしまったことです。
 「もう少し早く気づいてやれていたら…と思いましたね。健康あっての仕事だとも。そのころから少しずつ自分で、自律訓練法やカウンセリングを学び始めました。今の活動は社会への恩返しのようなものです」。 
 中村さんには今、やりたいことが二つ。一つは連合会を行政への窓口に一本化すること。支援を求めてシングルマザーが市町の窓口を訪れても、たらい回しにされることもあるそう。そうならないよう、中村さんが一緒に窓口を訪れて、交渉にあたっています。シングルマザーが窓口で断られて途方に暮れてしまわないようにしたいと考えています。
 もう一つは、離婚した女性の居場所づくりです。「私たち相談員からの支援だけでなく、同じ境遇やトラブルを抱えている女性が、集まって、学んだり、おしゃべりしたりして心のストレスを吐き出すことができる場を作りたいんです」。
 「経済的に厳しさが増し、心にゆとりがなく、ストレスを抱えたママがたくさんいる」と中村さん。そんなママたちが笑顔を取り戻してくれることが願いです。

●母子(父子)家庭とは…死別・離別により配偶者のいない女子(男子)が20歳未満の児童を扶養している家庭。
●寡婦とは…かつて母子家庭の母であった方で、子どもが成人して現在配偶者のいない方。

石川県母子寡婦福祉連合会

離婚やひとり親のための就業、子どもの養育費、法律に関することなどの相談に応じている。
住所/金沢市三社町1番44号
石川県母子・父子福祉センター内
(石川県女性センター 5F)
電話/076-264-0503

中村 宏兵さん

石川県母子寡婦福祉連合会 就職支援員

中村 宏兵さん

大手住宅メーカーを退職後、金沢公共職業安定所(現 ハローワーク金沢)の就職支援アドバイザーとして5年勤務し、2007年から現職。産業カウンセラー。これまでに延べ400~500組の母子寡婦の相談にのる。また年間40~50組を就職につなげている。